販促特典とは、商品やサービスの購入を促すために、お得な条件やプレゼントなどを提供することです。販促特典は、消費者の購買意欲を高めるだけでなく、ブランドイメージの向上やリピート率の増加にも効果的です。

しかし、販促特典を企画する際には、目的やターゲット、予算などを明確にする必要があります。また、競合他社との差別化や法律の遵守も重要なポイントです。

そこで今回は、販促特典の目的と効果的なキャンペーン企画の考え方を解説し、成功事例も紹介します。販促特典に興味のある経営者やマーケティングを担当する方は、ぜひ参考にしてください。

販促キャンペーンで特典企画を採用する目的と効果

販促キャンペーンの特典とは、顧客に対して自社商品の購入を促すために、お得な条件やプレゼントなどを提供するマーケティング手法です。

販促特典の目的は、消費者の購買意欲を高めることに加えて、以下のような効果が期待できます。

ブランドイメージの向上

販促特典が消費者のニーズや感情に合致すると、ブランドへの好感度や信頼度が高まります。

例えば、環境に配慮したエコバッグや植物の種をプレゼントすることで、環境保護に関心のある消費者から好印象を得られるといった考え方です。

このようなブランドイメージの向上により、競合他社との市場競争で優位に立てる可能性があります。

リピート率の向上

販促特典が継続的に提供されると、消費者は再び購入することで得られるメリットを認識できます。

例えば、ポイントカードやスタンプカードなどの回数券型の販促特典は消費者に次回の来店を促すため、リピーターの獲得に効果的な手法です。

口コミ効果の発生

販促特典が話題性やユニークさを持つと、消費者はSNSやブログなどで自ら情報を発信し、他の消費者に影響を与えるようになります。

例えば、限定品やコラボ商品などの希少性の高い販促特典は消費者の拡散意欲を高めるため、新しい顧客や潜在顧客の注目を集める効果があります。

販促特典の種類2つと4つのタイプ

販促特典の種類2つ

販促特典には、オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンという2種類があります。

オープンキャンペーンは、自社店舗を利用せず商品を購入していない人でも気軽に参加できる広い範囲に向けた販促キャンペーンです。一方、クローズドキャンペーンとは、商品の購入やサービスを利用した顧客が対象となる販促キャンペーンを指します。

オープンキャンペーンはブランディング効果が高い反面、販促効果は弱く費用対効果も低いのが特徴です。逆に、クローズドキャンペーンは売上に対する費用対効果が高い反面、参加者を増やすためのハードルが高くなります。

販促特典のタイプ4つ

販促特典には、次の4つのタイプがあります。

値引き型

値引き型の販促特典は、商品やサービスの価格を割り引くことで、消費者に安さやをアピールしてお得感を与えるキャンペーン企画です。例えば、セールやクーポンなどが該当します。

付加価値型

付加価値型の販促特典は、商品やサービスに何かを付け加えることで、消費者に選んだ商品やサービスの価値を感じさせるキャンペーン企画です。例えば、サンプルやおまけなどが該当します。

回数券型

回数券型の販促特典は、商品やサービスの購入回数に応じて何かを提供することで、消費者に継続的な購入を促すキャンペーン企画です。例えば、ポイントカードやスタンプカードなどが該当します。

抽選型

抽選型の販促特典は、商品やサービスの購入者に対して何かを抽選で提供することで、消費者に期待感や興奮感を与えるキャンペーン企画です。例えば、くじ引きやプレゼントキャンペーンなどが該当します。

販促特典のメリット

商品やサービスの認知度が上がる

販促特典は、消費者の注目を引くことができます。それは、消費者が特典に興味を持ち、商品やサービスについて知りたくなるからです。

特に、オープンキャンペーンでは、自社店舗を利用せず商品を購入していない人でも気軽に参加できるため、広い範囲に向けて商品やサービスの認知度を高めることが可能です。

集客アップの期待ができる

販促特典は、消費者の購買意欲を高めることができます。それは、消費者が特典を獲得するために商品やサービスを購入したり、利用したりすることを考えるからです。

特に、クローズドキャンペーンでは、商品の購入やサービスを利用した顧客が対象となるため、売上に対する費用対効果が高くなります。

自社のイメージアップにつながる

販促特典は、消費者に対して自社の魅力や価値を伝えることができます。それは、消費者が特典を通して自社の商品やサービスの品質や信頼性を感じたり、自社のコンセプトや理念に共感したりするからです。

特に、オリジナルや独自性の高い特典は消費者の記憶に残りやすく、自社のイメージアップにも効果的です。

競合他社と差別化しやすい

販促特典は、消費者に対して自社の商品やサービスの優位性を訴求することができます。それは、消費者が特典を比較して自社の商品やサービスを選ぶからです。

特に、競合他社と同じような商品やサービスを提供している場合は、特典で差別化することが重要となります。

販促特典のデメリット

コストがかかる

販促特典では、商品やサービスの価格に、特典にかかるコストを上乗せするケースがあります。ただし、消費者は特典の価値が商品やサービスの価値を上回らない場合には、購入や利用を見送ってしまうでしょう。

特に、オープンキャンペーンでは広いターゲット層に向けて特典を提供するため、コストが高くなるのが課題となります。

企業や商品・サービスのイメージダウンにつながる恐れがある

販促特典は、消費者に対して、自社の商品やサービスの品質や信頼性を疑わせることに繋がるケースがあります。消費者にとって必要のない特典を付与した場合には、商品やサービスの魅力が低いと感じることがあるでしょう。

特に、クローズドキャンペーンでは、特典を獲得するための条件が厳しい場合には、消費者の不満や不信感を招いてしまう場合があるため注意が必要です。

効果的な販促特典企画の考え方と実施する手順

販促特典を企画して実行する際には、以下のようなステップを踏むことが重要です。

1.目的の設定

販促特典の目的は何かを明確にします。例えば、新規顧客の獲得、既存顧客の囲い込み、在庫処分、季節商品の販売促進などが考えられます。

このように、目的に応じた販促特典の種類や内容を決めることが重要です。

2.ターゲットの分析

販促特典の対象となる消費者の属性やニーズを分析します。例えば、年齢、性別、居住地、趣味、購買履歴などが参考になります。

このように、ターゲットに応じて、販促特典の魅力や訴求力を高めることが重要です。

3.予算の算出

販促特典の実施にかかるコストと見込まれる収益を算出します。例えば、商品やサービスの原価、プレゼントやポイントの提供コスト、広告や宣伝の費用などです。

予算に応じて、販促特典の規模や期間を調整しましょう。

4.効果測定

販促特典の実施後に効果を測定します。例えば、売上高、利益率、顧客数、リピート率、口コミ数などが指標となります。

効果測定の結果によって販促特典の成果や課題を把握することで、次回の販促施策の改善に活かすことができるでしょう。

販促特典企画の注意点

競合他社と差別化すること

販促特典が競合他社と同じでは、消費者が選択肢に迷ってしまい、自社の販促キャンペーンを選んでもらえる確率が下がります。そこで、自社の商品やサービスの強みや特徴を生かした販促特典を考えることが重要です。

法律を遵守すること

販促特典は、消費者に対する景品表示法や不当景品類及び不当表示防止法などの法律に基づいて行われる必要があるため、値引き率やプレゼント内容などには制限があります。もし法律に違反した場合には、厳しい罰則が科せられる可能性があるため注意が必要です。

販促特典の成功事例

吉野家の成功事例

吉野家は、ポケモンとコラボレーションした「ポケ盛」キャンペーンを実施しました。

ポケモンのデザインが施された牛丼やカレーの容器に、限定のポケモンカードが付いてくるという内容です。このキャンペーンは、ポケモンファンや牛丼ファンの注目を集め、SNSで話題となりました。この特典キャンペーンを行った結果、吉野家の売上は前年比で約20％増加したと報じられています。

日清食品の成功事例

日清カップ麺は、大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」とコラボレーションしたキャンペーンを実施しました。

日清カップ麺のパッケージには鬼滅の刃のキャラクターが描かれており、中にはオリジナルのシールを特典として添付。このキャンペーンでは、鬼滅の刃ファンやカップ麺ファンの間で大人気となり、品薄状態が続くほどの成功を納めます。また、日清カップ麺はこのキャンペーンに合わせて鬼滅の刃とコラボしたCMも制作しました。それが「一番速くスワイプできたら100万円」というTwitter（現X）で行われたキャンペーンです。参加者は、スマートフォンで画面をスワイプしてタイムを競うというシンプルなゲームです。このキャンペーンは、100万円という大きな賞金や簡単な参加方法が話題を呼び、約50万人が参加。また、このキャンペーンでは、スマートフォン保護フィルムのメーカーであるエレコムが主催しており、エレコムの製品やブランドへの認知度向上にも貢献しました。

丸亀製麺の成功事例

丸亀製麺は「食いっプリ！ グランプリ！」というキャンペーンを実施しました。

このキャンペーンは、丸亀製麺のメニューを食べた人がレシートを撮影してSNSに投稿するだけで、投稿者の中から抽選で1000人に現金10万円が当たるという豪華な特典が特徴です。このキャンペーンは、丸亀製麺の売上増加や、SNSでの口コミ拡散に大きな効果をもたらす結果となりました。

販促特典企画のまとめ

このように、販促特典企画とは、消費者に商品やサービスを購入してもらうために、特別な特典を提供するキャンペーンのことです。販促特典企画の目的は、ブランドの認知度向上や新規顧客の獲得、リピート顧客の増加、売上の拡大などがあります。

ただし、販促特典は景品表示法や不当景品類及び不当表示防止法などの法律に基づいて行われる必要があるため、十分な注意が必要です。

そこで、これから販促特典の企画を立案して実行する場合には、この記事を参考にして、法律の遵守と効果的な販促キャンペーンの実施を目指しましょう。

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