社内アンケートを業務改善に役立てる効果的な質問の作り方や注意点を解説
- 2024/03/10
- 2024/06/29
目次
業務改善をするために、社内アンケートを実施したいと考えている経営者の方や担当者の方も多いのではないでしょうか。しかし、社内アンケートはただ質問を作って配布すればいいというものではありません。それは、質問の作り方や注意点によって、アンケートの回答率や分析の精度が大きく変わるからです。
もし、間違った質問をしてしまうと、業務改善に役立つデータを得られないばかりか、社員のモチベーションや信頼を損なう可能性もあります。そうならないためには、適切な質問を作成しなければなりません。
そこで今回は、社内アンケートを業務改善に役立てるための効果的な質問の作り方と注意点を解説します。これから業務改善に向けた社内アンケートの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
社内アンケートとは?目的や効果を解説
社内アンケートとは、従業員の意見や満足度を把握し、業務改善に役立てるための調査です。
社内アンケートの目的や効果には、以下のようなものがあります。
業務内容や職場環境を改善する
従業員が仕事にやりがいを感じているか、業務量は適切かなど、従業員の声を聞くことで、職場の満足度やエンゲージメントを高めることができます。
組織力の向上に役立てる
従業員エクスペリエンスやeNPSなど、組織の強さや活力を測る指標を調査することで、組織の課題や改善点を明らかにできます。
社内制度の改革に役立てる
人事評価制度や福利厚生制度など、従業員にとって重要な社内制度に対する意見や要望を集めることで、制度の改善や導入に役立てることができます。
組織風土や文化の修正や見直しに役立てる
社内コミュニケーションや経営方針など、組織がもつ特有の風土や文化に関する意見や感想を集めることで、組織の変化や成長に対応することが可能です。
このように、社内アンケートの実施にはさまざまな目的や効果があります。そこで、企業の実態に合わせて作成し、定期的に実施することをおすすめします。
また、社内アンケートの作成や実施には、Googleフォームやアンケートツールなどを上手く活用することで、アンケートの作成や結果の集計を自動化することも可能です。
社内アンケートを業務改善に活用するメリット
社内アンケートを業務改善に活用するメリットの1つは、正確な課題把握ができることです。社内アンケートによって、業務内容や働き方、組織風土などに対する、現場の社員の声を集めることができます。これにより、業務の問題点や改善点を明らかにできるでしょう。
現状の業務にある正確な課題を把握できれば、業務改善の方向性や優先順位を決めやすくなります。また、アンケート結果をもとに、具体的かつ効果的な改善策を提示し、実行することで、社員の仕事に対するやりがいやエンゲージメントを高めることも可能です。
さらに、社員の意見や要望を聞くことで、社員の参画意識やコミットメントも強化できるでしょう。
ただし、社内アンケートを業務改善に効果的に活用するためには、アンケートの目的や質問の作り方、回答方式や数、集計や分析などに十分な注意が必要です。
社内アンケートを業務改善に役立てる効果的な質問の作り方
次に、業務改善に向けた社内アンケートの作り方について解説します。アンケートを作成する際は、次の2つの手順を踏むことが大切です。
- アンケートの目的を明確にすること
- 適切な質問事項を作成すること
それぞれ解説します。
1.アンケートの目的を明確にすること
社内アンケートを行う際は、何を知りたいのか、どのように業務改善に役立てるのか、目的を明確にすることが大切です。
目的が不明確だと、質問内容も漠然としてしまい、効果的なデータが得られない可能性があります。また、目的が社員に共有されないことで、アンケートへの参加意欲や協力意識が低くなる可能性が高まります。
目的を設定する際は、以下のような点に注意しましょう。
目的は具体的かつ明確に表現すること
例えば「業務改善」ではなく「業務のムダやムラを発見し、作業効率を向上させる」などです。
目的は現実的かつ達成可能なものにすること
例えば「業務のムダやムラをゼロにする」ではなく「業務のムダやムラを減らす」などです。
目的は評価や測定ができるものにすること
例えば「業務のムダやムラを減らす」だけではなく「業務のムダやムラを減らすために、どのような指標や基準を用いるか」を明記するといった内容です。
2.適切な質問事項を作成すること
社内アンケートの目的が明確になったら、次は質問事項を作成します。
質問事項は、目的に沿って、業務の問題点や改善点を明らかにするものにすることが重要です。
ただし、質問の数や内容には、以下のような注意が必要です。
質問の数を適切にすること
質問が多すぎると、回答者の負担や飽きにつながる可能性があるため、必要最低限の質問に絞ることが望ましいです。一般的には、10~20個程度が目安とされています。
質問の内容を明瞭にすること
質問が曖昧だったり、難解だったりすると、回答者の解釈や誤解によって、データの信頼性が低下する可能性があります。質問は簡潔かつ具体的に表現し、用語や略語はできるだけ避けるようにしましょう。
質問の形式を適切にすること
質問の形式には、単一回答式、複数回答式、順位付け式、自由記述式などがあります。質問の目的や内容に応じて、最適な形式を選択することが重要です。また、形式を組み合わせることで、より効果的な質問ができる場合もあります。
業務改善に向けた社内アンケート質問のテンプレート
業務改善に向けた社内アンケートの質問について、それぞれの目的ごとに参考例を紹介します。
業務環境に関する質問のテンプレートと目的や効果
まずは、業務環境に関する質問のテンプレートを紹介します。
1.職場の温度や音、明るさなどの環境は快適ですか?
- とても快適
- やや快適
- どちらともいえない
- やや不快
- とても不快
2.作業スペースや設備は十分に整っていますか?
- とても整っている
- やや整っている
- どちらともいえない
- やや整っていない
- とても整っていない
3.コミュニケーションや相談のしやすさはどうですか?
- とてもしやすい
- ややしやすい
- どちらともいえない
- ややしにくい
- とてもしにくい
4.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進についてどう思いますか?
- とても必要だと思う
- やや必要だと思う
- どちらともいえない
- やや必要ではないと思う
- とても必要ではないと思う
5.DXの推進に伴って、業務の効率化や品質向上が図られていますか?
- とても図られている
- やや図られている
- どちらともいえない
- やや図られていない
- とても図られていない
業務環境に関する質問は、職場の温度や音、明るさ、作業スペースや設備、コミュニケーションや相談のしやすさ、DXの推進など、業務を行う上での環境要因について調査するものです。このような質問を行う目的は、生産性や作業効率が低下している要因の特定や、従業員のストレスチェックを行うことにあります。
業務環境に関する質問の効果は、業務環境の改善によって従業員の満足度やモチベーションを向上させることや、業務の質やスピードを高めることです。
業務の負担に関する質問のテンプレートと目的や効果
次に、業務の負担に関する質問のテンプレートを紹介します。
1.特定の業務を一人の社員しか担当できない状態になっていませんか?
- はい
- いいえ
2.業務の分散ができない状態になっていませんか?
- はい
- いいえ
3.業務において負担と感じることは何ですか?
- 業務量が多すぎる
- 業務内容が難しすぎる
- 業務の締め切りが厳しすぎる
- 業務の優先順位が不明確
- 業務の報告や連絡が煩雑
- 業務に関する指示やフィードバックが不十分
- 業務に関する知識やスキルが不足している
- 業務に関するミスやトラブルが多い
- 業務に関する責任やプレッシャーが大きい
- 業務に関する認知や評価が低い
- 業務に関するやりがいや成長感がない
- その他(自由記述)
4.仕事が原因で有給休暇を消化できないケースはありませんか?
- はい
- いいえ
5.仕事が原因で有給休暇を消化できない場合、その理由は何ですか?
- 業務量が多くて休めない
- 業務の引き継ぎができない
- 上司や同僚から休めない雰囲気がある
- 休むと業務に支障が出ると思う
- 休むと評価が下がると思う
- 休むと仕事に対するモチベーションが下がると思う
- 休みたいときに休めない
- 休みたい理由がない
- その他(自由記述)
業務の負担に関する質問は、特定の業務を一人の社員しか担当できない状態や、業務の分散ができない状況、業務において負担と感じることや、仕事が原因で有給休暇を消化できないケースなど、業務負担の度合いについて調査するものです。このような質問を行う目的は、業務の属人化や離職率の悪化などの課題を抱えている場合に、人材配置や制度の見直し、担当者の増員などの対策を検討することにあります。
業務の負担に関する質問の効果は、業務負担の軽減によって従業員の健康やワークライフバランスを保つことや、業務の効率化や品質向上につながることです。
業務や時間の使い方のムダに関する質問のテンプレートと目的や効果
以下では、業務や時間の使い方のムダに関する質問のテンプレートを紹介します。
1.時間がムダになっていると感じることはありますか?
- はい
- いいえ
2.時間がムダになっていると感じる場合、その理由は何ですか?
- 業務の手順が複雑すぎる
- 業務の報告や連絡が多すぎる
- 業務に関する資料や情報が見つからない
- 業務に関するミスやトラブルが多い
- 業務に関する指示やフィードバックが不十分
- 業務に関する知識やスキルが不足している
- 業務に関する優先順位が不明確
- 業務に関する認知や評価が低い
- 業務に関するやりがいや成長感がない
- その他(自由記述)
3.手が空いているのに他人のリカバリーができない状況はありますか?
- はい
- いいえ
4.手が空いているのに他人のリカバリーができない場合、その理由は何ですか?
- 業務の引き継ぎができない
- 業務の分担が不明確
- 業務のスキルや知識が異なる
- 業務の責任やプレッシャーが大きい
- 業務の評価が低い
- 業務に興味がない
- その他(自由記述)
5.作業にムダがあると感じることはありますか?
- はい
- いいえ
6.作業にムダがあると感じる場合、その理由は何ですか?
- 作業の手順が複雑すぎる
- 作業の報告や連絡が多すぎる
- 作業に関する資料や情報が見つからない
- 作業に関するミスやトラブルが多い
- 作業に関する指示やフィードバックが不十分
- 作業に関する知識やスキルが不足している
- 作業に関する優先順位が不明確
- 作業に関する認知や評価が低い
- 作業に関するやりがいや成長感がない
- その他(自由記述)
7.業務の流れは最適化されていますか?
- とても最適化されている
- やや最適化されている
- どちらともいえない
- やや最適化されていない
- とても最適化されていない
業務や時間の使い方のムダに関する質問は、時間がムダになっていると感じることや、手が空いているのに他人のリカバリーができない状況、作業にムダがあると感じることや、業務の流れが最適化されているかどうかなど、業務や時間の使い方に関する無駄の有無について調査するものです。このような質問を行う目的は、ムダな業務や時間の使い方が解消されなければ、作業効率を低下させるだけでなく、従業員のやりがいやエンゲージメントにも影響する可能性があるため、業務改善のための課題や改善点を抽出することにあります。
このような質問の効果は、業務や時間の使い方のムダの削減によって従業員の生産性や満足度を高めることや、業務のスムーズさやスピード感を向上させることです
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自社のアンケート内容を効果的に改善したいとお考えの方は、ぜひご参照ください。
業務改善に向けた社内アンケートを実施する際の手順5つ
業務改善に向けた社内アンケートを実施する際は、以下の5つの手順を踏むのがおすすめです。
- アンケートの目的を明確にする
- 質問を作成する
- アンケートを実施する
- アンケート結果を集計・分析する
- アンケート結果をフィードバックする
それぞれ解説します。
1.アンケートの目的を明確にする
まずはじめに、実施する社内アンケートで何を知りたいのか、どのような改善策を考えるのかを具体的に定めましょう。また、アンケートの目的を社員に共有し、協力を促すことも大切です。
2.質問を作成する
次に、目的に沿った質問を設計しましょう。設問数は多すぎず少なすぎず、10個程度にとどめるのがおすすめです。
記述式と選択式の質問をバランスよく組み合わせることや、質問文を簡潔でわかりやすくすること、答えを誘導しないようにすることが重要です。
3.アンケートを実施する
オンラインでアンケートを実施すると、回収・集計・分析がしやすくなるためおすすめです。
また、回答期限は3日~1週間程度に設定すると良いでしょう。回答率を上げるためにも、回答期限が近づいたらメールでリマインドを行うことが大切です。
4.アンケート結果を集計・分析する
アンケートを実施したら、回答データを整理し、優先順位をつけます。そして個別の回答を詳細に分析し、具体的な課題を抽出します。
5.アンケート結果をフィードバックする
最後に、アンケート結果を社員と共有し、感謝の気持ちを伝えましょう。そして、今後どのようにアンケート結果を活用していくかを明確にすることが重要です。
社員の意見や提案に対するフィードバックを適切に行うことで、社内アンケートがより効果的なもとなります
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業務改善に向けた社内アンケートを実施する際の注意点
業務改善に向けた社内アンケートを実施する際は、次の点に注意しましょう。
ヒアリングの対象者はできるだけ多くすること
社内アンケートでは、役職や部署に関わらず幅広い従業員の意見を集めることが大切です。そうすることで、現場の課題や現状が可視化されやすくなります。
また、対象者を多くすることで、回答の信頼性が高まります。また、社員の参加意識やモチベーションの向上にも寄与するでしょう。
対象者を多くする場合は、アンケートの回答方法や期限を明確に伝えることが重要です。オンラインアンケートの実施は、回収・集計・分析のしやすさや匿名性の確保にも効果的です。
普段から意見を言いやすい環境を整備しておくこと
社内アンケートの効果を高めるには、従業員が本音を言いやすい環境を普段から整備しておくことも重要です。なぜなら、心理的安全性が高いと、回答の質や量も向上するからです。
意見を言いやすい環境を整備するためには、以下のような工夫が有効です。
- アンケートの目的や用途を公表し、社内に周知すること
- アンケートに関する社長メッセージを発信し、経営側の本気度を示すこと
- アンケート結果のフィードバックを行い、業務改善への活かし方を伝えること
- アンケート以外の場でも、社員の意見を受け入れる姿勢を示すこと
上記を参考に、より効果的な社内アンケートを実施してください
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社内アンケートにはInterviewz(インタビューズ)のヒアリングツールがおすすめ
業務改善に向けた社内アンケートを実施することで、従業員の声を反映した効果的な改善が行えるだけでなく、組織文化の醸成や組織力の強化にも、良い影響を与えるでしょう。
ただし、社内アンケートを実施する際は、適切なツールの選択が重要となります。なぜなら、アンケートツールを活用することで、効率よく、効果的なアンケートの実施と分析ができるからです。
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