営業に必要なヒアリング力を強化するコツ|具体事例やスキルの鍛え方を徹底解説
- 2023/10/08
- 2024/10/05
目次
営業は、顧客のニーズや課題を聞き出し、相手の痛みや課題を本質的に解決できる商品やサービスを提案するのが仕事です。
しかし、顧客の本音を引き出すのは簡単なことではありません。それは、顧客が自分の悩みや欲求を上手く表現できていなかったり、言いたくなかったりする場合が多いからです。
そこで必要なスキルがヒアリング力です。ヒアリング力とは、顧客の話をただ聞くだけでなく、質問や反応を通じて顧客の心理や感情を理解し、信頼関係を築く能力のことを言います。
ヒアリング力が高い営業マンは、顧客に対して共感や関心を示すことができるため、顧客が安心感や親近感を抱きます。また、顧客の話から重要な情報や隠れたニーズを見抜き、顧客に最適な商品やサービスを提案できます。
このヒアリング力は、トレーニングによって向上できる、重要な営業スキルです。
そこで今回は、営業に必要なヒアリング力を強化するコツや、具体事例、スキルの鍛え方を徹底解説します。
営業成果の伸び悩みを感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ヒアリング力とは?営業に必要な理由
ヒアリング力とは、顧客の話をただ聞くだけでなく、質問や反応を通じて顧客の心理や感情を理解し、信頼関係を築くことができる営業職において非常に重要なスキルです。
ヒアリング力が高い営業マンは、顧客に対して共感や関心を示すことができるため、顧客が自分の話に興味を持ってくれていると感じて安心感や親近感を抱きます。また、顧客の話から重要な情報や隠れたニーズを見抜き、顧客が本当に求めている商品やサービスを提案できます。
ヒアリング力を高めるためには、傾聴(聞く)スキル、質問スキル、共感スキル、フィードバックスキルの4つを身につけることが重要です。
また、ヒアリング力を高めるためには、自分の話し方や聞き方に気づく、相手の話し方や反応に注意する、質問やフィードバックのテクニックを身につける、実践的なヒアリングシミュレーションを行うといったトレーニング方法が効果的です。
このように、ヒアリング力は天性のものではなく、トレーニングによって向上させることができます。
ヒアリング力が高い営業マンの会話の事例と重要ポイント
以下では、ヒアリング力が高い営業マンの会話を具体的な事例で解説します。ぜひ参考にしてください。
営業マン「こんにちは、〇〇と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます」 お客様「こちらこそ、よろしくお願いします」
営業マン「さて、まずはお客様の現状や課題についてお聞かせいただけますか?」
お客様「はい、私は△△という会社で××という部署の責任者をしています。現在、私たちは□□というサービスを提供しているのですが、売上が伸び悩んでいます」
営業マン「なるほど、売上が伸び悩んでいるということですね。それは大変ですね。どのような原因が考えられますか?」
お客様「うーん、色々な要因があると思いますが、一番大きいのは競合他社の台頭ですね。私たちのサービスは他社に比べて特徴が少なく、差別化ができていません」
営業マン「そうですか、競合他社に対抗できる特徴が少ないということですね。それは確かに厳しい状況ですね。では、お客様はどのような特徴を持ったサービスを提供したいとお考えですか?」
お客様「私は、私たちのサービスには○○という強みがあると思っています。これは他社にはないものです。しかし、この強みを十分にアピールできていないと感じています」
営業マン「なるほど、○○という強みをもっとアピールしたいということですね。それは素晴らしい考えだと思います。では、そのためにはどのような方法が必要だと思われますか?」
お客様「そうですね、まずは私たちのサービスの価値を明確に伝えることが大切だと思います。そのためには、ターゲット層やニーズを絞り込んで、効果的なマーケティング戦略を立てる必要があると思います」
営業マン「そうですね、ターゲット層やニーズを絞り込んで、効果的なマーケティング戦略を立てることが大切だと思います。その点で、私たちの会社では●●というソリューションを提供しています。これは、お客様のサービスの価値を最適に伝えることができるツールです」
上記の例では、営業マンは以下のようなヒアリング力を発揮しています。
- 相手の現状や課題を引き出すために、「お聞かせください」や「考えられますか」などのオープンエンドの質問を使っている。
- 相手の話を聞いて理解したことを確認するために「なるほど」や「そうですか」などの相槌や言い換えを使っている。
- 相手に興味や信頼を持ってもらうために「それは大変ですね」や「素晴らしい考えだと思います」などの感想や共感を伝えている。
- 相手のニーズや目標を明確にするために「お考えですか」や「必要だと思われますか」などの仮説検証の質問を使っている。
- 相手に自社のソリューションを提案するために「その点で」や「提供しています」などのつなぎの言葉を使っている。
このような会話がヒアリング力が高い営業マンの特徴だと言えるでしょう。
以下は、営業を効率化させるためのヒアリングシートの作り方をステップ別に解説した資料です。
自社内の営業のヒアリングを効率化させることに特化したヒアリングシート作成ガイドです。具体的な「ヒアリングシート制作の基礎知識」や「営業のためのヒアリングシートに盛り込むべき6つのポイント」を記載しております。
資料にあるステップをもとに、営業活動のヒアリングの質やスピードアップをご検討している方は是非ご参照ください。
ヒアリング力を高めるために必要なスキルと鍛え方
傾聴力(聞く力)
傾聴力とは、相手の話に耳を傾けて熱心に聞くスキルのことです。
傾聴力には、以下の3つの原則があります。
共感的理解
相手の考えや感情をそのまま受け入れ、気持ちや立場を察すること。
無条件の肯定的関心
相手の話を良い悪いと決めつけず、ありのままを受容すること。
自己一致
自分が感じていることと相手の感情や話すことが一致していること。
傾聴力が高い人の特徴は、相手の目を見ながら話を聞き、適度に相槌や表情で反応を示すところです。また、相手の話に伴走するように、分からない点を確認したり、要点を要約したりして、相手の話を理解していることを伝えることができます。
傾聴力が高いと、相手の本音やニーズを引き出せたり、相手と信頼関係を築けたりするメリットがあります。また、ただ話を聞くよりも、コミュニケーション自体が楽しくなるのも大きな利点です。
傾聴力を鍛え、高めるためには、普段の会話で以下の点を意識することが大切です。
- 相手の話しやすさを考える
- 聞き役に徹する
- 分かっている様子、姿勢を見せる
傾聴力は、人間関係を円滑にするコミュニケーションスキルです。傾聴力を鍛えることで、相手に寄り添いながら話ができるようになるでしょう。
質問力
質問力とは、不明点や疑問点などを解消し、事実を正しく理解するために問いかける能力のことです。営業において、質問力はコミュニケーション能力の1つとして重要視されています。
質問スキルを鍛えることで、相手の潜在的なニーズや課題を引き出せるため、提案する商材の精度を高めたり、信頼関係を築いたりする効果に期待ができます。
質問スキルを鍛える方法としては、以下のようなものがあります。
- 相手(顧客)に関する情報をできるだけ多く集めて理解し、その内容に疑問を持つこと
- オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分けることで、効果的な問いかけをすること
- 正確な情報を収集することで、事実に沿った認識を持つこと
- 質問の目的や意図を明確にすることで、相手が答えやすい質問をすること
- 質問のタイミングや順序に気を付けることで、会話の流れを誘導するすと
質問力は、相手の本質的な課題を解決するために、潜在的な痛みや悩みを引き出すための重要なスキルです。
共感力
共感スキルとは、他人の考えや意見を察したり、喜怒哀楽などの感情に寄り添ったりする能力のことです。営業において、共感力はコミュニケーション能力の1つとして重要視されています。
共感スキルを鍛えることで、相手のニーズや課題を引き出し、より良好な信頼関係を構築することが可能です。
共感スキルには、以下のような種類があります。
シンパシー(sympathy)
相手の感情に「理解できる」と感じること。同情や思いやりを表す。
エンパシー(empathy)
相手の感情に「同じ気持ち」を感じること。感情移入や共感を表す。
コンパッション(compassion)
相手の感情に「わかろうとする」と感じること。思いやりや慈悲を表す。
共感力は、相手の痛みや課題をより深く感じ取り、最適な答えを導き出すための重要なスキルです。
フィードバック力
フィードバック力とは、相手の行動やパフォーマンスに対して、効果的な評価や改善策を伝える能力のことです。営業において、フィードバック力は相手に有益な提案をしたり、信頼関係を築いたりするために重要なスキルです。
フィードバック力を鍛え、高める方法としては、以下のようなものがあります。
- フィードバックの目的や意図を明確にする
- フィードバックのタイミングや頻度に気を付ける
- フィードバックの内容を具体的かつ客観的に伝える
- フィードバックの方法や形式を相手に合わせて選ぶ
- フィードバックの受け取り方や反応も学ぶ
以下は、営業を効率化させるためのヒアリングシートの作り方をステップ別に解説した資料です。
自社内の営業のヒアリングを効率化させることに特化したヒアリングシート作成ガイドです。具体的な「ヒアリングシート制作の基礎知識」や「営業のためのヒアリングシートに盛り込むべき6つのポイント」を記載しております。
資料にあるステップをもとに、営業活動のヒアリングの質やスピードアップをご検討している方は是非ご参照ください。
ヒアリング力を高めるためのコツ6つ
コツ1.事前に相手や業界に関する情報を収集する
事前に相手や業界に関する情報を収集することは、相手のニーズや課題を把握するために重要な要素です。
事前に相手の会社や業界の動向、競合状況、市場規模などを調べておくことで、相手に関心を持っていることを示すことができます。また、事前情報をもとに仮説を立てておくことで、ヒアリングの方向性や目的を明確にすることができます。
コツ2.話しやすい雰囲気や関係性を作る
話しやすい雰囲気や関係性を作ることは、相手の心を開かせるために重要です。
ヒアリングの冒頭では、自己紹介や挨拶、感謝の言葉などで礼儀正しく接することが大切です。また、雑談や共通の話題などで相手と親しくなることで、信頼感や安心感を与えることができます。
コツ3.オープンエンドな質問を多用する
オープンエンドな質問を多用することは、相手の話を引き出すために重要です。
オープンエンドな質問とは「どう思いますか? 」「どういうことですか? 」「なぜですか? 」など、相手に自由に答えさせるような質問のことです。
これらの質問を使うことで、相手のニーズや課題、感情や意見などを深く掘り下げることができます。
コツ4.相手の言葉や表情に反応する
相手の言葉や表情に反応することは、相手に聞いていることを伝えるために重要です。
相手の話を聞いている間は、目を見てうなずいたり「なるほど」や「そうですか」などの相槌や言い換えを使って相手の話を理解したことを示します。
また、相手の言葉や表情から感じられる感情に対して「それは大変ですね」や「素晴らしいですね」などの感想や共感を伝えます。
コツ5.仮説を立てて検証する
仮説を立てて検証することは、相手の本音やニーズを明らかにするために重要です。
事前に立てた仮説や自分の考えを相手に伝えて「どう思われますか? 」「それは当てはまりますか? 」などの質問で検証します。
これにより、相手が本当に求めていることや困っていることがわかりやすくなります。
コツ6.相手に確認やまとめをする
相手に確認やまとめをすることは、相手との共通認識を確保するために重要です。
ヒアリングの途中や終わりには「今お話しいただいた内容はこういうことでよろしいですか? 」「私が理解した内容は以下の通りですが、間違いありませんか? 」などの質問で相手に確認をしましょう。
また「今日はお話しいただきありがとうございました。お客様のニーズや課題はこういうことだと理解しました。それに対して私たちの提案はこういうものです。」などの言葉で相手にまとめを伝えることが大切です。
ヒアリング力で営業力が向上する理由のまとめ
ヒアリング力が高い営業マンは、顧客との良好な関係を長期的に築けるようになるため、満足度や売上の向上に寄与するでしょう。一方、ヒアリング力が低い営業マンは顧客の話をうまく聞けないために、最適な商品やサービスの提案ができないだけでなく、信頼関係も築けません。
このように、ヒアリング力の高さは、営業成績に直結する重要な能力です。そこで、この記事を参考にしてヒアリング力に必要なスキルを理解し、鍛え、高める努力を続けてみてください。効果的なヒアリングができれば、営業成果が劇的に向上するはずです。
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