派遣スタッフを採用するまでの流れとは?注意点やコストなども解説
- 2022/10/13
- 2024/05/10
目次
人材不足を解消するために派遣スタッフを採用する会社が多くなっています。
しかし、派遣スタッフを採用するコストや採用するまでの流れが分かっていない方も多いのではないでしょうか。
一見、気軽に雇用可能な派遣スタッフですが、採用までの注意点なども多く存在します。本記事では派遣スタッフを採用するまでの流れや必要コストなどを解説します。これから派遣スタッフの採用を検討されている方は参考にしてください。
そもそも派遣スタッフとは?正社員との違いも解説
派遣スタッフとは、人材派遣会社に雇用され、別の企業に派遣されて働く人のことを指します。
派遣スタッフは、派遣会社と雇用契約を結び、給与や社会保険の登録、福利厚生などは派遣会社から提供されるのが特徴です。また、実際に働く派遣先企業では、業務の内容や指示に従いますが、雇用関係は派遣会社にあります。
派遣スタッフと正社員の違い
企業が派遣スタッフと正社員を採用する際には、それぞれの雇用形態の特徴を理解し、ビジネスのニーズに合わせて選択することが重要です。
雇用契約の相手
派遣スタッフは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で働きます。派遣先企業は、派遣会社から提供される人材を利用しますが、直接の雇用関係はありません。
一方、正社員は企業と直接雇用契約を結び、その企業の一員として働きます。企業は正社員に対して直接的な責任を持ちます。
労働力の柔軟性
派遣スタッフは、企業はプロジェクトや繁忙期など、一時的な人手不足を補うために派遣スタッフを利用することができます。契約期間が終了すれば、更新しない限り派遣スタッフは退職します。
一方、正社員は長期的な雇用を前提としており、企業の核となる人材として育成・活用されます。そのため、正社員には異動や昇進などキャリアパスが存在します。
コストとリスク管理
派遣スタッフの場合、派遣先の企業は、派遣スタッフの給与や社会保険料を派遣会社に支払います。そして、派遣スタッフの管理や労務リスクは派遣会社が担います。
一方、正社員の場合、企業が正社員の給与や社会保険料を直接管理し、労務リスクを負います。そのため、賞与や退職金などの追加コストも発生します。
業務の指揮命令権
派遣スタッフの場合、派遣先企業は派遣スタッフに対して業務の指示を出すことができますが、雇用主は派遣会社であるため、雇用に関する直接的な指揮命令権はありません。
一方、正社員の場合は、企業が正社員に対して業務の指示だけでなく、雇用に関する全ての指揮命令権を持ちます。
社会保険の加入
派遣スタッフの場合は、一定の条件を満たせば派遣会社で社会保険に加入しますが、加入条件は正社員より厳しい場合があります。
一方、正社員の場合は、企業が正社員を社会保険に加入させる義務があります。
このように、派遣スタッフは企業にとって柔軟な労働力の確保手段として利用されますが、長期的な人材育成や組織への帰属意識を期待する場合は、正社員の採用が適しています。
また、派遣スタッフは企業の直接的な雇用責任を負わずに利用できるため、人件費や労務管理の面でのリスクを軽減することが可能です。
一方で、正社員は企業の長期的な戦略に沿ってキャリアを築いていくことが期待され、企業文化の形成にも寄与します。
以上の点を踏まえ、派遣先の企業は自社のビジネスモデルや戦略に合わせて、派遣スタッフと正社員のバランスを考慮して人材を採用することが重要です。
派遣スタッフの利用は柔軟性とコスト管理の観点から有利ですが、正社員の採用は組織の安定性と成長を支える基盤となります。どちらの雇用形態も、企業のニーズに応じて適切に活用することが大切です。
派遣スタッフの種類3つ
人材派遣には、主に以下の3つの種類があります。
- 登録型派遣
- 常用型派遣
- 紹介予定派遣
それぞれの種類ごとに契約条件が異なるため、仕組みを理解した上で、派遣スタッフを採用しましょう。
以下で、それぞれの契約内容を解説します。
1.登録型派遣
登録型派遣は、派遣スタッフが派遣会社と一定期間の雇用契約を結び、派遣先企業で働く形態です。
派遣先企業にとってのメリットは、短期間や特定のプロジェクトのために、迅速に人材を確保できる点です。また、派遣期間が終了すれば契約も終了するため、長期的な雇用責任を負わなくて済みます。
ただし、派遣スタッフが頻繁に変わる可能性があるため、業務の継続性や知識の蓄積に影響が出る可能性があります。
2.常用型派遣
常用型派遣は、派遣スタッフが派遣会社の正社員として雇用され、派遣先企業で働く形態です。
派遣先企業の視点からは、長期的なプロジェクトや業務に対して安定した人材を確保できるメリットがあります。また、派遣スタッフが派遣会社の正社員であるため、派遣先企業は雇用の安定性を期待でき、スキルの高い人材を確保しやすいです。
しかし、派遣会社との契約が終了しても、派遣スタッフは派遣会社に雇用され続けるため、派遣先企業は派遣スタッフに対する直接的な雇用責任を負わない代わりに、継続的に雇用できる保証もありません。
3.紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣スタッフが最初は派遣会社との契約で派遣先企業で働き、一定期間後に派遣先企業の正社員や契約社員として直接雇用される可能性がある形態です。
派遣先企業にとっては、実際に業務を行っている派遣スタッフの能力や適性を評価した上で、正式な雇用契約を結ぶことができるため、採用のミスマッチを防ぐことができます。また、派遣期間中に派遣スタッフのスキルや適性を確認できるため、より適切な人材を選定することが可能です。
ただし、派遣スタッフが直接雇用を希望しない場合や、派遣先企業が採用を見送るケースもあるため、必ずしも直接雇用につながるわけではありません。
派遣スタッフを採用するまでの流れ5ステップ
派遣先の企業が派遣スタッフを採用するまでの一般的な流れには、以下の5つのステップがあります。
- ヒアリングの実施
- 派遣社員のマッチング
- 顔合わせ・職場見学の実施
- 契約締結
- 派遣社員の勤務開始
それぞれのステップを解説します。
1.ヒアリングの実施
派遣会社は企業のニーズを深く理解するために詳細なヒアリングを行います。この段階で、企業は必要なスキルセット、業務内容、勤務期間、勤務条件などを伝えます。派遣会社はこれらの情報を基に、適切な派遣スタッフを選定する準備をします。
2.派遣社員のマッチング
ヒアリングで得た情報に基づき、派遣会社は登録されているスタッフの中から最も適した候補を選び出し、企業に紹介します。企業は直接選考することはできませんが、提案された候補者のスキルや経験を確認し、業務に適しているかを判断します。
3.顔合わせ・職場見学の実施
派遣スタッフと企業の人事担当者が顔合わせを行い、職場の雰囲気や具体的な業務内容について話し合います。この時、派遣スタッフは職場環境を見学し、実際の業務に対する理解を深めます。
4.契約締結
顔合わせと職場見学を経て、双方に合意があれば、派遣会社と企業間で正式な派遣契約を結びます。この契約には、派遣スタッフの業務内容、勤務時間、報酬などの詳細が含まれます。
5.派遣社員の勤務開始
契約が締結された後、派遣スタッフは企業での勤務を開始します。企業は派遣スタッフがスムーズに業務を開始できるように、必要なトレーニングやオリエンテーションを提供します。
なお、派遣社員の採用には労働者派遣法に基づくルールがあり、派遣スタッフの選考に面接や履歴書による選別を行うことは禁止されているため注意が必要です。また、派遣社員の受け入れには期間制限があるため、派遣可能期間や派遣禁止業務についても理解しておく必要があります。
これらのステップを踏むことで、企業は効率的に派遣スタッフを採用し、業務に必要な人材を確保することが可能です。
派遣スタッフを採用する3つのメリット
派遣スタッフを採用するまでには、条件のすり合わせや実際に働くスタッフの情報を事前に知った上で採用を進めます。
では、派遣スタッフを採用したことで企業はどのようなメリットが生まれるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
メリット1.人手不足の解消
近年の少子高齢化の加速に伴い、企業の人材不足は大きな課題になっています。派遣スタッフの採用は業務を行える人数の増加に直結し、企業の人材不足解消に繋がります。
人材不足の解消は正社員との業務分担が明確にできるため、派遣スタッフは任せられている業務へ集中しやすくなります。
メリット2.業務効率化
派遣スタッフを採用することで、社内全体の業務効率化にも期待できます。
派遣スタッフはアシスト業務や単純な業務が多く、正社員は難しい仕事や責任を伴う業務へ集中できる体制が取れます。
正社員と派遣スタッフで業務を明確にすることで、正社員の業務量も軽減でき残業業務の削減にも繋がるため、業務の効率化が可能となります。
メリット3.コスト削減
派遣スタッフは雇用先が派遣元会社であり給与の支払いも派遣会社が行うため、人材の確保を行いながら正社員を雇用するよりもコストを抑えることが可能になります。
また、派遣スタッフの採用はあらかじめスキルを確認した上で採用するため、時間をかけずに即戦力の人材を確保ができます。
派遣スタッフの採用は、費用と時間の2つのコストを軽減できます。
派遣スタッフ採用における注意点5つ
派遣スタッフの採用は企業の人材不足や業務効率化に繋がり、多くのメリットを生むことが分かりました。
しかし、派遣スタッフはあくまでも自社の人材ではなく派遣会社所属の人材のため、採用する上での注意点がいくつかあります。
注意すべき項目を理解した上で、派遣スタッフの採用を行いましょう。
注意点1.帰属意識が低い
派遣スタッフは前向きに自社で働いてくれる場合が多いですが、必ずしも企業の一員と意識して業務を行っているとは限りません。
派遣スタッフの雇用先は派遣会社のため、自分の所属先は派遣会社と思っている派遣スタッフも多く帰属意識が低いスタッフもいます。
社員との温度差が大きいと早期離職にも繋がるため、人間関係や社員の接し方などに気を配る必要があります。
注意点2.育成コストがかかる場合もある
派遣スタッフは時間のコストをかけずに即戦力になるケースもありますが、システムの説明や社内ルールに乗っ取った業務の仕方など育成に時間を有する場合があります。
また、想像していたよりもスキルが足らない場合は、企業が教育しなければ業務に支障が出る可能性もあります。
派遣スタッフを採用する際は、ある程度は教育コストがかかると予想しておきましょう。
注意点3.通常派遣では選考面接ができない
派遣スタッフを採用する際に、採用企業側が選考面接を行うことは法律で禁止されています。
派遣スタッフとの事前顔合わせは行えますが、基本的には選ぶのではなく迎え入れることが前提になります。
そのため、スキルや労働条件をクリアしている人材が派遣される可能性もあり、企業の求めている人柄や人格ではない場合があります。
注意点4.派遣スタッフに任せられない業務もある
派遣スタッフの業務範囲は契約で決められているため、契約以外の業務を任せることはできません。
また、スタッフ本人が意欲的な場合でも、契約以外の業務依頼はトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。
注意点5.派遣スタッフと正スタッフの間に壁を作らない
派遣スタッフは雇用先が派遣元会社ですが職場は派遣採用企業です。
派遣スタッフと正スタッフに立場の違いはありませんが、業務内容や職場への働き方から接し方を変えてしまい壁を作ってしまうと派遣スタッフはコミュニケーションをとりづらくなります。
正スタッフが壁を作ってしまうと、職場への環境が良くないと感じてしまい離職数の増加にも繋がります。
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派遣スタッフ採用に発生するコストと費用の相場
派遣スタッフを採用する際には、企業にとっていくつかのコストが発生します。これらは大きく分けて、イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(継続費用)に分類されます。
イニシャルコスト(初期費用)
派遣スタッフを雇用する際の初期費用は、通常、直接雇用に比べて低く抑えられます。
これは、採用活動やスタッフ教育が派遣会社によって行われるため、派遣スタッフが決まるまでの費用がかからないためです。
ただし、派遣スタッフが使用する物品を用意する際の準備費用は発生します。
ランニングコスト(継続費用)
継続費用は、基本賃金(時給や日給)、社会保険料(健康保険、厚生年金、労災保険など)、福利厚生費(交通費、健康診断費、慶弔見舞金、有給休暇金など)、そして派遣会社の利益や諸経費を含みます。
これらは、派遣会社から請求される金額に全て含まれています。
職種別の費用相場
職種によって派遣料金の相場は異なりますが、一般的には派遣賃金(派遣スタッフの給料)が派遣料金全体の約70%を占め、残りの30%は社会保険料、有給費用、派遣会社の諸経費などに充てられます。
派遣スタッフの相談窓口の運営、企業やスタッフのフォローのための人件費、教育研修費用などの諸経費が13.7%、派遣会社の営業利益が1.6%程度です。
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派遣スタッフの採用についてまとめ
本記事では派遣スタッフの採用のメリットや注意点について解説しました。
派遣スタッフを採用する際は、接し方や業務依頼に制限があるなど注意するべき点がいくつかあります。
しかし、新しい従業員を雇用するリスクやコストに比べて、派遣スタッフの採用はコストやリスクの軽減ができるため企業にとっては安心して人材の確保が可能になります。
人材不足や業務の効率化を目的として派遣スタッフの採用を検討している企業は、本記事を参考にしてください。
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