派遣スタッフの採用費用の業種別相場|コスト削減方法も解説
- 2022/10/13
- 2023/10/25
目次
採用費用を抑えて優秀な人材を確保するために人材派遣を検討する企業も多いのではないでしょうか。派遣スタッフに関わる採用費用は業種やその職種に応じて異なります。
本記事では、派遣スタッフの採用に必要な費用相場から具体的に費用を削減する方法までを解説します。
人材派遣を検討される企業の担当者の方はもちろん、今後人材派遣を視野に入れている方におすすめの内容になるためぜひご覧ください。
【業種別】派遣スタッフの費用相場
派遣スタッフの費用相場を解説します。派遣スタッフの費用相場は3つの要素で決められています。
- 業種
- 職種
- 地域
また、派遣スタッフの費用相場は業種別ではなく、職種別に応じて大きく変わる傾向があります。自社の状況に合った費用相場をしっかり把握しましょう。
職種別:派遣賃金の費用相場
各職種で必要なスキルが異なるため、派遣賃金も変わってきます。例えば、製造業でも、事務とエンジニアでは必要になるスキルや希少性が異なります。
職種別の派遣料金と派遣賃金、平均時給(8時間換算)を下記の表にまとめました。
職種 | 平均時給(8時間換算) | 派遣料金 | 派遣賃金 |
---|---|---|---|
一般事務従事者 | 1,328円 | 15,428円 | 10,627円 |
営業・販売事務従事者 | 1,411円 | 16,474円 | 11,286円 |
営業職業従事者 | 1,787円 | 21,083円 | 14,296円 |
商品販売従事者 | 1,240円 | 14,176円 | 9,923円 |
製造技術者 | 1,933円 | 24,150円 | 15,464円 |
接客・給仕職従事者 | 1,165円 | 13,305円 | 9,323円 |
生産関連事務従事者 | 1,356円 | 15,861円 | 10,851円 |
会計事務従事者 | 1,419円 | 16,534円 | 11,355円 |
介護サービス職業従事者 | 1,199円 | 14,153円 | 9,592円 |
建築・土木・測量技術者 | 2,368円 | 28,647円 | 18,942円 |
医師・歯科医師・獣医師・薬剤師 | 2,990円 | 36,193円 | 23,919円 |
保健師・助産師・看護師 | 1,800円 | 21,008円 | 14,397円 |
全業務平均 | 1,861円 | 23,044円 | 14,888円 |
参考元:平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)
専門的な知識を必要とされる職種や、医師のように高度な技術が求められる職種の費用相場は比較的高くなる傾向があります。
派遣スタッフを採用する際は、自社が求めている職種や必要なスキルを確認しておくのが重要です。
地域別:派遣スタッフの費用相場
派遣スタッフの費用相場は同じ職種や要求されるスキルが同じでも地域が違えば相場も異なります。
基本的に首都圏の平均時給が高くなっており、次いで関西など大都市がある地域は比較的高い傾向にあります。
例えば、IT・エンジニアの平均時給は関東で2,581円、関西で2,173円、北海道で1,700円、中国・四国で1,716円、東北で1,202円です。
他にも、営業職であれば関東で1,774円、関西で1,580円、北海道で1,368円、中国・四国で1,347円、東北で1,418円となっています。
一方で、首都圏や大都市から遠い中国・四国や東北などは安価な傾向にあり、派遣スタッフの採用に必要になる費用も抑えられるでしょう。
また、IT・エンジニアの中国・四国の平均時給は1,716円で東北は1,202円ですが、営業職では中国・四国で1,347円、東北で1,418円と相場が逆転するケースもあります。
自社が派遣スタッフを必要としている職種を理解した上で、地域の相場も把握しておく必要があります。
派遣スタッフ採用にかかる費用の内訳とは?
派遣スタッフは自社が直接雇用する訳ではなく、派遣会社を仲介して行う雇用契約です。「派遣スタッフの採用にかかる費用=派遣会社に支払う費用」になります。
費用の中には派遣会社の利益も含まれます。他にも派遣スタッフの給料などの費用も発生するので、費用内訳の理解が大切です。
派遣スタッフ採用にかかる費用の内訳と詳細を解説します。不要な料金を支払わなくてもいいように、費用の内訳をしっかり把握しましょう。
派遣スタッフ採用時に発生する費用
派遣スタッフ採用時に発生する費用は大きく分けて「初期費用」と「継続費用」があります。
それぞれの特徴を踏まえ、派遣スタッフの採用費用と正社員の採用費用を比較して解説をします。
初期費用
初期費用は採用前から採用直後に発生する場合が多い費用です。初期費用は「イニシャルコスト」とも呼ばれます。
正社員を雇用する際には「採用費」「教育費」「準備費」などが発生しますが、派遣スタッフを採用する際に発生する初期費用は「準備費」のみです。
正社員を雇用するよりも、派遣スタッフの採用は初期費用を安く済ませられます。
継続費用
継続費用は、派遣スタッフ採用後から契約終了時まで発生する費用です。継続費用には、主に「労働賃金」「社会保険料」「福利厚生費」「その他諸経費」などがあります。
正社員を雇用すると継続費用は自社で計算や管理を行わなければならないのに対して、派遣スタッフを採用した場合は派遣会社が計算や管理を行います。
派遣会社から請求された費用を支払うだけなので手間を省けるでしょう。
派遣スタッフの費用内訳詳細
派遣スタッフの費用は「労働賃金(派遣スタッフの給料)」「社会保険料」「福利厚生費」「派遣元の会社の利益」「自社・派遣会社の諸経費」などが挙げられます。
「労働賃金」は、費用全体の約70%を占めています。残りの30%の内訳は、「自社・派遣会社の諸経費が12〜14%」「社会保険料が10%前後」「有給休暇費用が4〜5%」「派遣会社が得られる利益は1〜3%」です。
社会保険料の内訳は「健康保険」「雇用保険」「労災保険」などがあります。
「自社・派遣会社の諸経費」は「派遣スタッフが利用する備品や制服」「新しく採用した派遣スタッフの教育をするのに発生する費用」「派遣スタッフの募集費用」などがあります。
「派遣会社の利益」は全て差し引くと1〜3%しか残らず、仮に派遣料金として30万円を受け取っても6,000円しか利益になりません。
マージンとは?
マージンとは、派遣賃金以外で派遣会社に支払う必要のある費用です。「派遣料金ー派遣賃金」をした額がマージンになります。
また、派遣料金全体の中でマージンが占める割合を表したものをマージン率といいます。マージン率は各派遣会社によって異なりますが、30%前後を取る会社が多いです。
マージン率が高いと余分に請求されて損していると思いがちですが、「マージン率が高い=損」ではありません。
マージンには「社会保険料」や「その他の諸経費」なども含まれているため、差し引くと派遣会社の利益は1〜3%ほどです。
他の会社よりマージン率が高い会社は「派遣スタッフの教育やサポート、福利厚生などに力を入れている分高くなっている」と考えられます。
しかし、スタッフの質が良くないにも関わらずマージン率を高く設定している悪徳な企業も存在するので、各派遣会社のリサーチはしっかりとしなければなりません。
派遣スタッフの採用費用を抑える方法4選
派遣スタッフの採用費用を抑える方法には以下の4つの方法が挙げられます。
- オンラインアウトソーシングの活用
- 派遣会社の比較
- コスト意識を高める
- ミスマッチを減らす
紹介する方法の中には、すぐに実践できる方法もあるので自社の状況と照らし合わせ実践しましょう。また、会社によっての相性もあるため紹介をする内容を見て自社に合うものを選ぶようにしましょう。
1.オンラインアウトソーシングを活用する
オンラインアウトソーシングとは、オンライン上でオンラインアシスタントに業務を外注できるサービスです。
事務作業やSNS運用、経理など外注できる業務は多岐に渡ります。業務を委託した後もオンラインアシスタントとは連絡を取り合えるので、自社の希望を直接伝えられます。
オンラインアウトソーシングを利用するメリットは「柔軟性の高さ」です。「自社では捌き切れない業務」や「知識・ノウハウがない業務」「主要業務を圧迫しているサブ業務」などを業務単位で外注できます。
また、急な業務の増減にも素早い対応が可能です。業務を委託するまで採用費用などは不要で、報酬も業務単位で決定できるので無駄な費用をかけずに済みます。
2.派遣会社を比較する
派遣会社を比較し適切な会社を選択できれば、費用の削減が可能です。
派遣会社を選ぶ注意点として「自社が希望する地域が対応可能かどうか」「各派遣会社が得意としている職種は何か」「契約条件は問題ないか」「登録スタッフの人数」などがあります。
派遣会社の中には得意としている職種がある会社も多く、より専門的で高度な技術を持ったスタッフがいる場合があります。自社が必要としている職種を得意としている会社を選ぶ心がけが大切です。
登録スタッフの人数が多ければ良い訳ではありませんが、「人が多い=設備が整っている」と考えられるので、1つの指標になります。
また、専門的なスタッフを集めている会社は人数を絞っている分、費用が高くなるでしょう。
契約条件は、派遣会社によって派遣形態が異なります。自社で「契約期間の長さ」や「スタッフの専門性」などの優先順位を明確にし、契約内容の確認をする必要があります。
しかし、契約内容がニーズに合ったものでも、派遣会社によっては対応できない地域が設定されているので気をつけましょう。
3.コスト意識を高める
外部的な要因だけでなく自社内のコスト意識を高めると、派遣スタッフ費用の削減に繋がります。
派遣スタッフの魅力の1つに適材適所があります。コスト意識を高めれば必要な派遣スタッフを必要な業務に必要な人数だけ派遣できるので、的確な採用が可能になるでしょう。
「無駄な業務をこなしていないか」「業務効率化を測れないか」「人材育成は適切に行えているか」などを確認しましょう。
4.ミスマッチを減らして、新規採用のコストを減らす
「採用後すぐに離職する」や「希望通りのスタッフが来なかった」などのミスマッチを減らす意識が大切です。
派遣スタッフは正社員の雇用に比べて初期費用は少ないですが、コストは発生しています。時間や費用をかけて採用したスタッフが適任でなかった場合、コストが無駄になってしまいます。
案件と派遣スタッフのミスマッチを無くすためにも、「各派遣会社のリサーチ」や「自社業務の見直し」「派遣会社との話し合い」が重要です。
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派遣スタッフはそのまま直接雇用できる?
派遣スタッフはそのまま直接雇用できます。法律で派遣スタッフは同じ会社に3年以上勤めてはならないと決められているので、3年以上働いて欲しい人材がいれば直接雇用もできます。
また、将来的に直接雇用を見通して派遣スタッフを採用するのであれば、紹介予定派遣を活用するのがおすすめです。
紹介予定派遣とは最大半年間の派遣期間を設けて、派遣期間満了時に派遣先の会社と派遣スタッフの両方が同意した場合、直接雇用となる形態です。
元から直接雇用を見越した運用が出来ますが、直接雇用が成立した場合、派遣元の会社に紹介手数料を支払う必要があります。
また、紹介予定派遣を利用しなくても、派遣スタッフを直接雇用できます。紹介予定派遣の制度を利用していないので、直接雇用しても派遣元の会社に手数料を支払う必要はありません。
ただし、派遣スタッフ側は直接雇用されるとメリットだけでなくデメリットも生じます。直接雇用の打診をしても、契約が成立しないケースも考えておかなければなりません。
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派遣スタッフの採用費用まとめ
派遣スタッフ採用費用の相場は「職種」「地域」「専門性」によって異なるので注意が必要です。派遣スタッフ採用時の費用は、正社員雇用に比べて抑えられます。
また、外注サービスの利用や各派遣会社のリサーチ、自社のコスト削減の意識を向上させると、さらに派遣スタッフの費用を削減できます。
本記事を参考に、派遣スタッフの採用費用を把握しコスト削減を目指しましょう。
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