FAQシステムのオープンソースツールおすすめ5選| 選び方や導入のデメリットを解説
- 2022/09/01
- 2023/03/14
目次
近年では、カスタマーサポートに寄せられる顧客からの意見や質問にFAQシステムを使って回答する企業が増えています。
FAQシステムを試しに導入したいが、なるべくコストは抑えたいという企業にはFAQシステムのオープンソースツールの導入をおすすめします。
本記事では、FAQシステムのオープンソースツールにはどのような機能やメリットがあるのか紹介します。
FAQシステムのオープンソースツールとは
FAQシステムやオープンソースツールという言葉はよく耳にしますが、そもそも一体どのようなものなのでしょうか。
システムやツールの特徴を見ていきましょう。
そもそもFAQシステムとは?
FAQシステムとは、よくある質問と回答をセットにした自動回答システムを指します。
FAQシステムはユーザー(顧客)向け、社内向け、オペレーション向けの三種類に分類されます。導入する目的や想定ユーザーに合ったものを選ぶようにしましょう。
FAQシステムを導入することによって従業員の業務の負担を減らすことができると同時に、ユーザー(顧客)が電話で問い合わせる手間を省くことができるので、業務効率化と顧客満足度の向上を図ることが可能になります。
オープンソースツールの特徴
オープンソースツールとはインターネット上に公開されているソースコードのことを指します。誰でも無償で利用でき、自由にカスタマイズすることも可能です。
オープンソースツールは私たちの身近にも数多くあり、代表的なものではオペレーティングシステムであるLinux、データベース管理システムのMySQL、WebブラウザのFirefoxなどが挙げられます。
FAQシステムのオープンソースツール導入のメリット
FAQシステムには有料ツールや無料ツールがあり、無料ツールの中でもオープンソースツールを導入するにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では4つのメリットを紹介します。
無料で使用可能
一つ目は無料でシステムを利用することができます。ライセンス費用が無料のため、統合的なコストの削減が可能です。
また、初期費用だけでなくライセンス管理や定期的なリプレース費用も削減できるためFAQシステムを無料で使用できることは運営する企業側として大きなメリットになります。
カスタムが可能
二つ目は自由にカスタムすることができます。既存のソースコードをもとに改良できるため、目的に合わせた機能を追加することが可能です。
状況に合わせてカスタマイズできるので、あらゆる問題にも柔軟に対応することができます。
また、システムのバグ(不具合)が発生した場合には、修正が可能なのでFAQシステムの品質向上にも繋がります。
高い安定性と品質
三つ目は高い安全性と品質を兼ね備えていることです。
オープンソースツールはソースコードが公開されているため不正なプログラムや脆弱性を常に確認することができ、素早い修正が可能です。そのためユーザーはストレスなくシステムを利用することができます。
また、開発元の倒産や吸収合併による利用停止リスクがないため、ユーザーがいる限りメンテナンスを維持することができます。
既存システムとの連携が可能
四つ目は既存のシステムと連携が可能です。
FAQシステムの無料ツールの中には利用制限によって既存システムと連携ができないツールもあります。連携ができない場合は一から他のシステムで作成しなければならないので却って作業が増え、効率が悪くなります。
オープンソースツールは既存のシステムと比較的容易に連携が可能なので無駄な手間が省け、初めての導入であっても簡単にシステムを利用することができます。
ヒアリングツールInsterviewz(インタビューズ)は、既存システムとの連携によって効率的に利用することが可能です。FAQシステムと併せて、既存システムと連携できるツールを検討されている方は、以下の資料をご参考ください。
FAQシステムのオープンソースツール導入のデメリット
FAQシステムのオープンソースにはメリットがある反面、デメリットも存在します。
デメリットを理解した上で導入するべきか判断しましょう。
機能に制限がある
オープンソースツールは無料で利用できる反面、機能に利用制限があります。
具体的にはログインできるユーザーのアカウント数が限られていたり、登録できるFAQの数に限りがある場合が多いです。
どのような機能が使えるのか事前に把握しておく必要があり、利用する目的によって利便性に欠けると判断した場合は、有料のFAQシステムの導入を考えましょう。
ライセンスがある
オープンソースツールは無条件で利用できるわけではなく、著作者が設定したライセンスに準拠する必要があります。
ソフトウェアごとに個別にライセンスが宣言されており、ライセンスの形態は様々で70種類以上も存在します。
例えば、ソフトウェアを再配布する場合はソースコードを公開する必要があり、商用利用が禁止されている場合もあります。
ライセンス契約とはソース利用時のルールのようなもので、もしライセンス契約に違反した場合は訴訟などの問題に発展してしまう可能性があります。使用する前は必ずオープンソースツールのライセンスを確認しましょう。
サポートが受けられない
オープンソースツールは基本的に無保証であるため、開発元がサポートをする義務はありません。問題が起きた場合は自分で解決するか、他の誰かが解決してくれるのを待つ選択になります。
無料で利用できる代わりに開発企業からのサポートが受けられないため、問題が発生した場合が心配なユーザーはオープンソースではないサポートのあるFAQシステムの導入も検討しましょう。
自分で解決できないトラブルが起こった際はサポート代行の企業に依頼するか、使用ユーザーのコミュニティから情報を集めて問題解決へと導きましょう。
機能の追加は自己負担
オープンソースツールに必要な機能がない場合は自社で開発や修正をするか、専門会社に開発を委託する必要があります。
機能を付け加える場合は別途で料金が発生し、機能によっては有料ツールを導入するよりも高くなる可能性もあります。
オープンソースツールでは、システムの成長に伴う料金の増加があるため、無料ツールやオープンソースツールを使い続けるよりも初めから上限が決まっていない有料ツールを利用した方がコストを低く抑えられる場合があります。
FAQシステムのオープンソースツール導入のポイント4つ
オープンソースツールのメリットとデメリットについて紹介しましたが、次は実際に導入する際のポイントを紹介していきます。
ツールの選択に迷っている際は下記4つのポイントを参考にして選んでみてください。
ポイント1 必要な機能が備わっているか確認
自由度の高いオープンソースツールは後から機能を付け加えることが可能ですが、はじめから必要な機能が備わっていれば運用コストを抑えることができます。
導入する前に目的に合った必要な機能を洗い出し、導入を検討しているツールに備わっているか確認しましょう。
ポイント2 日本語に対応しているか確認
オープンソースツールは海外で開発されたものが多く、中には日本語に対応していないツールもあります。
従業員が簡単に扱えるように日本語に対応しているツールを選ぶようにしましょう。
また、日本語に対応していると同じツールを利用する日本人ユーザーに対してコミュニティへの質問がしやすくなる利点も挙げられます。
ポイント3 操作が簡単か確認
FAQシステムは投稿する人や利用する人が多くなることで活発になり、より精度の高い情報が集まるようになります。
そのためにも操作が簡単であり、求めている情報がすぐに得られるシステムである必要があります。
FAQシステムは作成したら終わりではなく、コンテンツの鮮度を保つためにも常に更新や見直しが求められます。
簡単に操作ができることにより修正や更新が誰でも手軽に行え、定期的に情報をアップデートして、常に最新の情報が掲載される状態を維持することができます。
ポイント4 設定方法の形式をまとめる
FAQシステムのコンテンツ作成のための書き方マニュアルを作成しましょう。各個人でバラバラに作成してしまうと、統一感がなく検索しにくくなります。
まずは社内の疑問や質問を収集し担当者を決めて整理を行いましょう。特に問い合わせの多いものは網羅し、集めた質問を細かく分けて整理します。
FAQシステムのオープンソースツールを導入する際は、設定の形式をまとめやすいかを見極めましょう。
FAQシステムのオープンソースツールおすすめ5選
FAQを作成する際は人的コストや時間がかかりますが、オープンソースツールを利用することで制限を受けないFAQシステムを無料で作成することも可能です。
オープンソースツールには様々な種類があり、中でも比較的簡単に利用できて実際に導入しているユーザーも多いシステムを五つ紹介します。
1.phpMyFAQ
phpMyFAQはPHP言語で作成されたオープンソースのFAQシステムで、40を超える言語に対応可能です。質問と回答を投稿し、承認すればFAQを公開できます。
無料ツールですが作成できるFAQの数やカテゴリー、ユーザー数に制限は一切ないので、上限数を気にせずに使うことができます。
また、ユーザーやグループへの権限設定やTwitterアカウントとの統合など様々な機能を備えています。物理サーバーだけでなく、Dockerを使ったクラウド上の仮想サーバーへのインストールも可能です。
2.phpBB
phpBBは世界中で利用されているオープンソースツールのフォーラム型の電子掲示板で、FAQシステムとしても活用可能です。
多言語対応で日本語も対応しているので安心して利用することができます。
特徴としては、カスタマイズや機能追加ができるので非常に拡張性の高いツールになっています。
3.Question2Answer
Question2AnswerはPHP言語で作成され、MySQLデータベースと連携して動作するFAQシステムです。
2万4500を超える世界中のサイトで利用されている実績があり、40以上の言語に対応しています。
自社のWebサイトのデザインに合わせてCSSのテーマを簡単にカスタマイズできるので、社内のシステムデザインを変えることなくFAQの導入が可能です。
またFAQは4階層でのカテゴリーを設定でき、タグ付けや投票、コメントの機能も備えているため比較的見やすいデザインになっています。
4.Ultimate FAQ
Ultimate FAQはオープンソースのWeb構造システムであるWordPressでFAQシステムが構築できる専用プラグインです。
WordPressの管理画面から検索してボタンを押すだけで簡単に導入することができます。
導入後はFAQのカテゴリーを作成・分類し質問項目と回答を登録していきます。
登録したFAQは固定ページで公開できるほか、ショートコードを利用することで記事中など任意の箇所に表示することができます。
5.Knowledge
KnowledgeはGitHubにソースコードが公開されています。
必要な機能を自分で追加することができ、既存のユーザー管理と連携も可能なので企業で管理しているアカウントでログインすることができます。
また検索機能が充実しており、全文検索のほかに記事の文章はもちろん、記事に添付されたExcelやWordのファイルの中身も検索可能です。
FAQシステムのオープンソースツールまとめ
FAQシステムのオープンソースツールは無料で手軽に始めることができるので、FAQシステムの導入を検討している企業におすすめです。
オープンソースツールは運用コストがかからず自分好みにカスタマイズも可能なので魅力的な面が多いですがその反面、ライセンスに準拠する必要があったりとデメリットもあります。
メリットとデメリットを十分に理解した上で、目的にあったFAQシステムのツールを導入するか検討しましょう。