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コンジョイント分析とは?やり方5STEP・活用事例7選を徹底解説

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コンジョイント分析とは、商品やサービスを構成する複数の要素(属性)の組み合わせを回答者に評価してもらい、「どの要素が、どれだけ選ばれる理由になっているか」を数値化するマーケティングリサーチ手法です。

「価格を5,000円下げるのと、機能をひとつ増やすのは、どちらが売上に効くのか」——この問いに、勘ではなくデータで答えを出せるのがコンジョイント分析の最大の価値です。

本記事では、コンジョイント分析の意味・種類・やり方5STEP・結果の見方・業界別の活用事例7選までを、実務でそのまま使えるレベルまで分解して解説します。読了後には、自社で今日から調査票を設計し、最適な価格と仕様の組み合わせを導き出せる状態になります。

この記事の監修・運営情報 

運営企業:ラーナーズ株式会社 Interviewz(インタビューズ)/ヒアリングDXブログ編集部

監修:Interviewz プロダクトチーム(ヒアリング・診断コンテンツ設計の支援実績をもとに監修)

専門領域:BtoB/BtoCのヒアリング設計、アンケートUX、診断コンテンツによるCVR改善

ノーコードのヒアリングDXツール「Interviewz」を提供し、BtoB・BtoC双方の企業に対してアンケート設計、診断コンテンツ設計、顧客ヒアリングの自動化を支援してきました。本記事は、実際のマーケティングリサーチ支援の現場で蓄積した調査設計・回答率改善・データ活用の実務知見にもとづいて執筆・監修しています。

コンジョイント分析とは?意味と仕組みをわかりやすく解説

コンジョイント分析(Conjoint Analysis)は、「複数の条件がセットになった選択肢」を評価させることで、個々の条件が持つ価値を逆算する統計的なリサーチ手法です。

「conjoint」は「considered jointly(まとめて考える)」に由来し、要素をバラバラに聞くのではなくあえてセットで提示する点に本質があります。

コンジョイント分析の定義と「トレードオフ」という考え方

通常のアンケートで「価格は安いほうがよいですか」と聞けば、ほぼ全員が「はい」と答えます。「機能は多いほうがよいですか」と聞いても同様です。単独で聞く質問は、すべての項目が「重要」と回答されてしまい、優先順位がつかないのです。

コンジョイント分析では「A:価格70,000円・4K対応・40インチ」と「B:価格50,000円・4K非対応・32インチ」のように、妥協点を含んだ現実的な選択肢を並べて選ばせます。

回答者は無意識のうちに「4Kを諦めてでも2万円安いほうを取るか」というトレードオフ判断をします。この判断の積み重ねを統計的に分解することで、各条件が持つ「効用値」=選ばれる力を数値として取り出せるのがコンジョイント分析の仕組みです。

コンジョイント分析で使う4つの基本用語

コンジョイント分析を理解するうえで避けて通れないのが、属性・水準・効用値・直交表という4つの基本用語です。ここを曖昧なまま進めると、設計段階で必ずつまずきます。

用語 意味 具体例(ヘアドライヤーの場合)
属性(Attribute) 商品・サービスを構成する評価軸そのもの 価格/重さ/マイナスイオン機能/カラー
水準(Level) 各属性が取りうる具体的な値・選択肢 価格=8,000円/12,000円/18,000円
効用値(Utility) 各水準が回答者の選好に与える影響の大きさ 「600g」の効用値=−0.42(軽さが好まれる)
直交表(Orthogonal Array) 全組み合わせを試さずに済むよう、統計的に偏りなく組み合わせを間引く設計表 本来81通り→9通りのカードに圧縮

この4つのうち、実務で最も差が出るのが「属性と水準の設計」です。分析ロジックはツールが自動で処理してくれますが、何を聞くかを決めるのは人間の仕事であり、ここが結果の妥当性を決定づけます。

コンジョイント分析と他の調査手法との違い

「価格を調べたいならPSM分析でよいのでは」「重要度を知りたいなら因子分析では」と迷う方も多いはずです。手法ごとに答えられる問いが違うため、目的から逆算して選ぶ必要があります。

手法 答えられる問い コンジョイント分析との違い
コンジョイント分析 どの仕様・価格の組み合わせが最も選ばれるか
単純集計・クロス集計 各項目がどれだけ支持されているか 優先順位・トレードオフは測れない
PSM分析(価格感度測定) 受容価格帯はいくらか 価格のみが対象。仕様との交換比率は出せない
因子分析 回答の背後にある潜在的な価値観は何か 意識構造の把握が目的で、購買予測はしない
MaxDiff分析 多数の項目の相対的重要度は何か 属性の組み合わせ最適化はできない
ABC分析 既存の売上構成上、注力すべき対象は何か 既存実績の分析であり、未発売商品には使えない

結論として、「まだ世に出ていない商品の仕様と価格を決めたい」ときに最も威力を発揮するのがコンジョイント分析です。既存商品の分析には他手法、これから作るものの意思決定にはコンジョイント分析、と使い分けましょう。

コンジョイント分析を活用すべき5つのビジネスシーン

コンジョイント分析は、次のような「複数の選択肢のうち、どれを採用するか決めきれない」場面で効果を発揮します。

  • 新商品・新サービスの仕様決定:開発リソースを、どの機能に優先配分すべきかを数値で判断できます。
  • プライシング(価格設定):機能追加分をいくら価格に転嫁できるか、支払意思額(WTP)として算出できます。
  • 料金プランの設計:SaaSのプラン構成(機能・上限数・サポート・価格)の最適な切り分けを検討できます。
  • 競合との差別化ポイントの特定:競合スペックを選択肢に混ぜることで、自社が勝てる条件を特定できます。
  • 採用条件・福利厚生の設計:給与・リモート可否・裁量・研修などの組み合わせから、候補者に響く条件を可視化できます。

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コンジョイント分析の手法7種類|一覧比較表

コンジョイント分析とひと口に言っても、提示方法と回答方法によって複数のバリエーションがあります。自社の目的・属性数・回答者の負担許容度に応じて選ぶことが、成功の分かれ道です。

まずは全体像を一覧表で押さえましょう。初めて実施する場合は「フルプロファイル法」または「CBC(選択型)」から始めるのが定石です。

手法 回答形式 扱える属性数の目安 回答者の負担 難易度 向いている場面
フルプロファイル法 複数カードを順位付け・得点評価 3〜5 ★★☆ 初めての実施/属性が少ない商品
CBC(選択型コンジョイント) 3〜4案から1つを選択(「どれも選ばない」含む) 4〜6 ★★☆ 実購買に近い予測がしたい場合
ACBC(適応型) 回答内容に応じて設問が動的に変化 6〜10 ★★★ 高関与商材(住宅・車・BtoB SaaS)
ペアワイズ法(一対比較) 2案を比較してどちらが良いか選択 2〜4 ★☆☆ スマホ回答/高齢層など負担を抑えたい場合
二要因法(トレードオフ法) 2属性のマトリクス表を順位付け 2〜3 ★★☆ 紙調査/属性が極端に少ない場合
MaxDiff(最大差スケーリング) 項目群から最良・最悪を選択 10〜30項目 ★★☆ 訴求メッセージ・機能候補の優先順位付け
メニューベース型 オプションを自由に組み合わせて構成 5〜10 ★★★ サブスク・オプション販売の設計

フルプロファイル法:最も基本的でスタンダードな手法

フルプロファイル法は、すべての属性の水準を1枚のカードに記載し、そのカード群を順位付けまたは得点評価してもらう方式です。日本国内の書籍や解説記事で「コンジョイント分析」と呼ばれる場合、多くはこの方式を指します。

メリットは、Excelの重回帰分析(数量化I類)だけで効用値を算出できる手軽さにあります。専用ツールがなくても実施できるため、初回の社内検証には最適です。

一方で、属性が5つを超えるとカードの情報量が増え、回答者が読み切れなくなります。属性は4つまで、水準は各3つまでに抑えるのが実務上の安全ラインです。

CBC(選択型コンジョイント):実際の購買行動に最も近い手法

CBC(Choice-Based Conjoint)は、3〜4案を並べて「この中でどれを買いますか」と1つだけ選ばせる方式です。店頭やECサイトで比較検討する行動と構造が同じため、実購買との整合性が高いのが最大の強みです。

さらに「どれも選ばない(None option)」の選択肢を入れることで、そもそも市場に受け入れられるかどうかまでを判定できます。順位付けでは全案を無理やり評価させてしまうため、この点はCBC固有のメリットです。

分析には多項ロジットモデルや階層ベイズ推定が必要になるため、専用ツールまたはRなどの統計環境が前提となります。予算がある場合はCBC、まず社内で試すならフルプロファイル法という選び方が現実的です。

ACBC(適応型コンジョイント):高額・高関与商材に強い手法

ACBC(Adaptive CBC)は、回答者が最初に選んだ好みに応じて、その後に提示する選択肢を自動的に絞り込んでいく方式です。「絶対に譲れない条件(must-have)」「絶対に受け入れられない条件(unacceptable)」を回答者自身に申告させる工程が含まれます。

住宅、自動車、BtoB向けSaaSのように検討期間が長く、条件が多岐にわたる商材で真価を発揮します。属性を6〜10個扱えるため、複雑な料金プラン設計にも対応可能です。

ただし設計と分析の難易度は高く、Sawtooth Softwareなどの専用ツールがほぼ必須です。初回からACBCを選ぶのは避け、まず簡易な手法で仮説を絞り込んでから移行するのが失敗しない進め方です。

ペアワイズ法・二要因法:回答負担を抑えたいときの選択肢

ペアワイズ法(一対比較法)は、2案を並べて「どちらが良いか」だけを繰り返し聞くシンプルな方式です。設問1問あたりの認知負荷が最も低く、スマートフォンでの回答や、高齢層を対象とした調査に適しています。

二要因法は2つの属性でマトリクス表を作り、セルに順位を書き込んでもらう古典的な方式です。紙の調査票では今も使われますが、組み合わせ数が多いと回答者の負担が急増するため、Web調査ではあまり推奨されません。

MaxDiff・メニューベース型:目的特化型の応用手法

MaxDiffは、10〜30個の項目群から「最も良いもの」と「最も悪いもの」を選ばせる手法です。属性の組み合わせではなく、単一項目群の優先順位を精緻に出したいときに使います。訴求コピーの選定や、機能追加ロードマップの優先度決めと相性が良い手法です。

メニューベース型は、回答者が自由にオプションを組み合わせて「自分だけのプラン」を構成する方式です。サブスクリプションやオプション販売のように、顧客側が構成を選べるビジネスモデルの設計に適しています。

コンジョイント分析で使う質問項目一覧表(テンプレート)

コンジョイント分析の調査票は、「スクリーニング設問」「属性理解のための前提設問」「コンジョイント設問(カード評価)」「フォロー設問」の4ブロックで構成するのが基本です。

コンジョイント設問だけを単独で送っても、「誰が答えたのか」がわからず、セグメント別の分析ができません。以下の一覧表をテンプレートとして、自社の調査票に転用してください。

ブロック 質問項目 設問形式 目的・使い道
①スクリーニング 該当カテゴリ商品の購入・利用経験 単一選択 対象外回答者を除外し、データ品質を担保
直近の購入時期/購入予定時期 単一選択 検討層と非検討層を切り分ける
購入の意思決定関与度 単一選択 BtoBでは決裁者・担当者を判別
②前提設問 現在利用中の商品・ブランド 単一/複数選択 競合ブランド別のセグメント分析に使用
購入時に重視する点(自由記述) 自由記述 属性設計の妥当性検証・定性補完
想定予算レンジ 単一選択 価格水準の設定妥当性を検証
③コンジョイント設問 選択課題(カード評価)8〜12問 単一選択/順位付け 効用値・重要度の算出(本体部分)
「どれも選ばない」選択肢 単一選択 市場受容性(購入意向の絶対水準)を測定
ホールドアウト設問(検証用)1〜2問 単一選択 モデルの予測精度を検証
④フォロー設問 選択理由(自由記述) 自由記述 数値では見えない購買動機の把握
属性・性別・年代・地域 単一選択 デモグラ別のクロス分析
設問のわかりやすさ評価 5段階評価 次回調査の設計改善に活用

特に見落とされがちなのが「ホールドアウト設問」です。分析に使わない設問をあえて1〜2問混ぜておき、算出したモデルでその回答を予測できるかを検証します。ここで的中率が低ければ、属性設計を見直すサインです。

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コンジョイント分析のやり方5STEP

ここからは、コンジョイント分析を実際に進める手順を5つのSTEPに分けて解説します。所要期間の目安は、設計から報告まで最短2週間、標準で4〜6週間です。

STEP1:調査目的を定義し、属性と水準を決定する

最初にやるべきは、「この調査で、どの意思決定を下すのか」を1文で書き切ることです。「新型ドライヤーの発売価格と搭載機能を、開発会議で決定するため」といった具体度が必要です。

目的が定まったら属性を洗い出します。ここでのコツは、社内で変更可能な要素だけを属性にすることです。ブランド名や製造ラインの制約など変えられない要素を入れても、結果を施策に反映できません。

属性は3〜4個、多くても5個までに絞る

属性が増えると、必要なカード数と回答者の負担が指数関数的に増大します。属性4個×水準3個なら81通りですが、属性6個×水準3個では729通りにまで膨れ上がります。

実務では、事前の定性ヒアリングやアンケートで候補を10個ほど出し、重要度上位の3〜4個に絞り込んでからコンジョイント分析に持ち込むという二段構えが最も効率的です。

水準は「現実的な範囲」で2〜4個に設定する

水準の設定でよくある失敗が、価格に極端な安値を混ぜてしまうケースです。相場20,000円の商品に「3,000円」の水準を入れると、回答者は価格だけを見て判断し、他属性の効用値が正しく測れなくなります。

目安として、価格水準は市場実勢の±30〜40%以内、機能水準は「実装可能なもの」に限定してください。水準数は属性ごとに揃えると直交表が作りやすくなります。

属性同士が独立しているかを必ず確認する

「画面サイズ」と「本体重量」のように、物理的に連動してしまう属性を同時に入れると、現実にはあり得ない組み合わせのカードが生成されます。「32インチで超軽量」といった非現実的な選択肢は、回答者の混乱を招きます。

連動する属性が避けられない場合は、「禁止組み合わせ(prohibited pairs)」を設定できるツールを使うか、属性そのものを統合して1つにまとめる対応をとりましょう。

STEP2:直交表を使ってコンジョイントカードを作成する

属性と水準が決まったら、次は回答者に提示する組み合わせ(コンジョイントカード)を作ります。ここで使うのが直交表です。

直交表とは、全組み合わせを試さなくても各水準の効果を偏りなく推定できるよう、統計的に設計された組み合わせ表のことです。属性4個×水準3個の81通りは、L9直交表を使えばわずか9枚のカードに圧縮できます。

代表的な直交表の種類と選び方

直交表 対応する水準数 割り付け可能な属性数 必要カード数
L8 2水準 最大7 8枚
L9 3水準 最大4 9枚
L16 2水準 最大15 16枚
L18 2水準1つ+3水準7つ 最大8 18枚
L27 3水準 最大13 27枚

最も汎用性が高いのはL18直交表です。2水準の属性と3水準の属性を混在させられるため、「価格(3水準)×機能有無(2水準)×サイズ(3水準)」といった実務的な設計に対応できます。

1人あたりの提示カード数は8〜12枚に抑える

直交表で9〜18枚に圧縮できたとしても、1人にすべてを評価させると集中力が持たないのが実情です。回答時間が5分を超えると離脱率が急上昇します。

対策として、ブロック設計(カードを複数グループに分け、回答者ごとに割り当てる)を使います。18枚を2ブロックに分ければ、1人あたり9枚で済み、回答品質を保ったままデータを収集できます。

STEP3:アンケートを配信し、評価データを収集する

カードが完成したら、実際に対象者へ配信します。この工程で最も重要なのは「適切な対象者から、十分なサンプル数を集める」ことです。

必要サンプルサイズの目安と計算式

コンジョイント分析の実務では、Johnson & Ormeの経験則がよく用いられます。「n ≧ 500 × c ÷ (t × a)」(n=必要人数、c=最大水準数、t=1人あたりの設問数、a=1設問あたりの選択肢数)という式です。

たとえば最大水準数4、設問数10、選択肢数3の場合、500 × 4 ÷ (10 × 3) ≒ 67人が最低ラインです。ただしこれは全体傾向を見る場合の下限であり、セグメント別に分析するなら1セグメントあたり100〜200人を確保してください。

評価方法は「選択形式」を第一候補にする

評価方法には順位付け・得点評価・一対比較・選択形式がありますが、スマートフォン回答が前提の現在は「選択形式(CBC)」が最も適合的です。1画面に3案を並べて1つ選ぶだけなら、指1本で完結します。

順位付けは全カードを一覧比較する必要があり、スマホでは操作性が悪く回答放棄の原因になります。紙やPC前提の調査でなければ、順位付けは避けるのが無難です。

回答率を上げるインセンティブ設計を組み込む

コンジョイント設問は通常のアンケートより負荷が高いため、回答率が10〜20%ほど低下するのが一般的です。デジタルギフトなどのインセンティブを設定し、離脱を防ぎましょう。

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STEP4:効用値と重要度を算出する(分析実行)

データが集まったら、いよいよ分析です。フルプロファイル法で得点評価を採用した場合、Excelの「回帰分析」機能だけで部分効用値を算出できます

Excelで分析する手順

まず、各水準をダミー変数(0/1)に変換した表を作成します。次に「データ分析」→「回帰分析」を選び、目的変数に評価得点、説明変数にダミー変数群を指定して実行します。

出力される係数がそのまま各水準の部分効用値です。基準としたダミー変数の水準は効用値0となるため、他の水準の値は「基準からの差」として解釈します。

重要度の計算方法

属性の重要度は、「その属性内の効用値の最大値−最小値(レンジ)」を、全属性のレンジ合計で割ることで求めます。

たとえば価格のレンジが1.8、機能のレンジが0.6、色のレンジが0.2なら、合計は2.6。価格の重要度は1.8 ÷ 2.6 = 約69%となり、購買判断の約7割が価格で決まっていると読み取れます。

本格的に行うなら専用ツールまたはRを使う

CBC形式や階層ベイズ推定を用いる場合、Excelでは対応できません。Sawtooth Software、Qualtrics、conjoint.lyなどの専用ツール、またはRのconjointsupport.CEsパッケージを使用します。

STEP5:結果を解釈し、施策に落とし込む

最後のSTEPが、数値をビジネス上の意思決定に変換する工程です。ここを飛ばして「分析して終わり」になっている企業が非常に多いのが実態です。

最適な組み合わせ(最適プロファイル)を特定する

各属性で効用値が最大の水準を組み合わせれば、理論上の最適プロファイルが得られます。ただしコストや実装難易度も加味し、「利益が最大になる組み合わせ」を別途検討することが実務では不可欠です。

市場シェアシミュレーションを行う

効用値をもとに、自社案と競合案を並べたときの選択確率を試算できます。「価格を2,000円下げるとシェアが8ポイント上がるが、粗利は12%下がる」といった意思決定に直結する材料が得られます。

支払意思額(WTP)を算出して価格に反映する

WTPは「ある機能の効用値 ÷ 価格1円あたりの効用値」で求めます。「マイナスイオン機能には3,200円までなら支払われる」といった形で、機能追加の価格転嫁可能額を金額で提示できるのが大きな価値です。

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回答精度を高めるアンケート設計6つのコツ

コンジョイント分析の精度は、分析手法よりも「調査票の設計」で9割が決まります。ここでは実務で効果が確認されている6つのコツを、それぞれ具体的に解説します。

コツ1:属性は「事前調査」で絞り込んでから決める

いきなりコンジョイント分析の属性を会議室で決めてしまうと、社内の思い込みが反映された調査になります。実際の顧客が重視していない属性を測っても、意味のある結果は得られません。

推奨するのは、先に簡易アンケートやMaxDiffで10〜15個の候補を評価し、上位に来た3〜4個だけをコンジョイント分析に持ち込む二段階方式です。工数は増えますが、結果の説得力が段違いになります。

判断基準としては、「その属性を変えると、実際に売価または開発コストが動くか」を問うてください。動かない属性は、そもそも意思決定に使えません。

コツ2:水準の刻み幅を等間隔かつ現実的にする

価格水準を「8,000円/10,000円/30,000円」のように不均等に設定すると、効用値の線形性が崩れ、WTPの計算が不正確になります。等間隔(8,000/13,000/18,000)を基本としてください。

また、水準の表現は回答者が一目で違いを理解できる言葉に統一します。「高性能モーター搭載」ではなく「風量1.8㎥/分(従来比1.5倍)」のように、数値で差を示すほうが正確な評価につながります。

注意点として、水準数を属性ごとにバラバラにすると「水準数効果(number-of-levels effect)」が発生し、水準が多い属性の重要度が過大評価されます。可能な限り3水準で揃えましょう。

コツ3:直交表で組み合わせを間引き、回答負担を最小化する

全組み合わせを提示する「完全実施要因計画」は、属性が3個・水準2個(8通り)程度でしか現実的ではありません。属性4個以上では直交表の使用が事実上必須です。

直交表を使う際は、交互作用(属性同士の掛け合わせ効果)を測りたいかどうかを事前に決めてください。主効果だけでよければL9やL18で十分ですが、交互作用を見るならL27など列数に余裕のある表が必要です。

具体例として、価格3水準・機能3水準・色3水準・サイズ3水準の設計ではL9を使い、81通り→9枚に削減できます。これで1人あたりの回答時間は3分程度に収まります。

コツ4:カードのデザインと提示順をコントロールする

同じ内容でも、提示の仕方によって回答結果は変わります。属性の並び順は全カードで統一し、各属性の名称・単位も揃えてください。バラバラだと回答者が比較に余計な認知負荷を使います。

また、カードの提示順は回答者ごとにランダマイズします。順序が固定されていると、最初に見たカードが基準になる「アンカリング効果」や、後半の集中力低下による「順序効果」がデータに混入します。

画像を使う場合は要注意です。写真の見栄えが効用値に影響してしまうため、コンジョイント分析では原則としてテキストと数値のみで統一するのが安全です。

コツ5:サンプルサイズと対象者条件を先に確定させる

「とりあえず100人集めよう」という進め方では、セグメント別に分けた瞬間にサンプル不足になります。分析軸(年代別・利用ブランド別など)を先に決め、各セル100人以上を確保する設計にしてください。

対象者条件も同様です。カテゴリ購入経験のない層を含めると、効用値が平準化されて差が出なくなります。スクリーニング設問で「直近1年以内の購入者・検討者」に絞るのが定石です。

BtoBの場合は、決裁権限の有無が特に重要です。担当者と決裁者では重視する属性が大きく異なるため、両者を分けて分析できるサンプル設計にしましょう。

コツ6:本調査前にプリテスト(予備調査)を必ず実施する

10〜30人程度の小規模なプリテストを行うだけで、設問の分かりにくさ、非現実的な組み合わせ、回答所要時間の超過といった致命的な問題をほぼ検出できます。

チェックすべきは3点です。①平均回答時間が5分以内か、②途中離脱率が20%を超えていないか、③自由記述に「意味がわからない」といった声がないか。ひとつでも該当すれば設計を修正します。

プリテストにかかるコストは本調査の1割以下ですが、ここを飛ばして数十万円の本調査をやり直すリスクを考えれば、投資対効果は圧倒的です。

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コンジョイント分析の結果の見方|7つの重要指標

分析を実行すると多数の数値が出力されますが、実務で見るべき指標は7つに絞られます。それぞれの意味と、意思決定への使い方を解説します。

指標1:部分効用値(Part-Worth Utility)

部分効用値は、各水準が回答者の選好にどれだけプラス/マイナスに働くかを示す数値です。プラスが大きいほど好まれ、マイナスが大きいほど避けられます。

注意すべきは、部分効用値は絶対値では比較できない点です。同じ属性内の水準同士の差を見るのが正しい読み方で、「価格の−0.8」と「色の+0.3」を直接比べても意味がありません。

指標2:属性の重要度(Importance)

重要度は、「その属性が購買判断全体の何%を占めるか」を示すパーセンテージです。全属性の合計が100%になるよう正規化されています。

実務では、重要度が10%を下回る属性は、施策上ほぼ無視してよいと判断できます。逆に50%を超える属性があれば、その属性への集中投資が最も効率的です。

指標3:全体効用値(Total Utility)

全体効用値は、ある組み合わせ(プロファイル)の部分効用値をすべて合計した値です。複数の商品案を比較する際、最も直接的な優劣の指標になります。

「案A:2.4/案B:2.1/案C:1.6」といった形で並べれば、どの案が最も選ばれやすいかが一目瞭然です。開発会議での意思決定資料として最も使いやすい指標といえます。

指標4:シェアシミュレーション(選択確率)

シェアシミュレーションは、自社案と競合案を同時に市場に出したとき、それぞれが何%選ばれるかを予測する機能です。全体効用値をロジットモデルに通して確率に変換します。

この機能の真価は、「もし〜だったら」を何十パターンも試せる点にあります。価格改定、機能追加、競合の値下げへの対抗策など、実際に市場に出す前にリスクを検証できます。

指標5:支払意思額(WTP:Willingness To Pay)

WTPは、ある機能や仕様に対して消費者がいくらまで払う意思があるかを金額換算した指標です。「価格1円あたりの効用値」で機能の効用値を割ることで算出します。

WTPが実際の追加原価を上回っていれば、その機能は搭載するほど利益が増えると判断できます。逆に下回るなら、その機能は削ってコストを下げるべきです。開発投資の意思決定に直結する、最も実務的な指標です。

指標6:決定係数(R²)と相関係数

決定係数は、作成したモデルが実際の回答データをどれだけ説明できているかを示す0〜1の値です。一般に0.7以上あればモデルとして良好とされます。

0.5を下回る場合は、属性設計が回答者の判断軸とずれている可能性が高いといえます。数値をそのまま施策に使わず、属性の見直しから再設計するのが正しい対応です。

指標7:セグメント別効用値(潜在クラス分析)

全体平均の効用値だけを見ると、正反対の嗜好を持つ2つの層が打ち消し合い、「どの属性も重要度が低い」という誤った結論に至ることがあります。

これを防ぐのがセグメント別分析です。潜在クラス分析やクラスター分析を併用し、「価格重視層40%/機能重視層35%/デザイン重視層25%」のように層別の効用値を出すことで、ターゲット別の商品戦略が立てられます。

▼アンケートデータの分析方法を体系的に押さえたい方はこちら
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コンジョイント分析の活用事例7選

ここからは、業界別にコンジョイント分析がどう使われているかを7つの事例で紹介します。自社に近いパターンを見つけて、属性設計の参考にしてください

事例1:家電メーカー|テレビの価格と画面サイズの最適解を特定

属性を「価格(50,000円/70,000円/90,000円)」「画面サイズ(32/40/50インチ)」「4K対応(あり/なし)」「録画機能(あり/なし)」の4つで設計し、購入検討層500人に調査を実施しました。

結果、重要度は価格48%、画面サイズ31%、4K対応14%、録画機能7%。4K対応のWTPは約6,000円と算出され、追加原価12,000円を下回っていたため、エントリーモデルでは4Kを非搭載として価格を抑える判断に至りました。

事例2:飲食チェーン|新ハンバーガーの仕様と価格を決定

「パティの厚さ」「チーズの種類」「ソースの味」「価格」の4属性で調査。パティの厚さの重要度が42%と突出し、チーズの種類は9%にとどまりました。

この結果を受け、原価の高い高級チーズをやめてパティを増量し、同価格帯のまま満足度を高める商品設計へ転換。結果として原価率を維持しながら、既存品比で注文率を向上させることに成功しています。

事例3:日用品メーカー|ヘアドライヤーの機能取捨選択

「重さ(400g/600g)」「マイナスイオン機能(あり/なし)」「カラー(3色)」「価格(8,000円/13,000円/18,000円)」で分析しました。

重さの重要度が35%と最大で、マイナスイオン機能のWTPは約3,200円。カラーの重要度はわずか5%だったため、カラー展開を3色から2色に削減して在庫コストを圧縮し、その分を軽量化技術に再投資する意思決定が行われました。

事例4:BtoB SaaS|料金プランの最適な階層設計

「月額料金」「ユーザー数上限」「サポート形態(メール/チャット/専任担当)」「外部連携数」の4属性で、情報システム部門の決裁者を対象に調査。

興味深いのは、決裁者は「専任担当サポート」の効用値が非常に高い(WTP換算で月額約28,000円)一方、現場担当者は外部連携数を重視していた点です。この差を踏まえ、上位プランにのみ専任サポートを付ける階層設計が採用されました。

事例5:不動産・住宅|間取りと立地のトレードオフを可視化

「駅からの距離」「専有面積」「築年数」「賃料」の4属性で、賃貸検討者を対象に実施。駅からの距離が1分縮まることのWTPは月額約1,800円と算出されました。

この数値により、徒歩12分の物件を徒歩5分の物件と同等の競争力にするには、月額約12,600円の値引きが必要という定量的な判断が可能になります。営業現場の価格交渉ロジックとしても機能する事例です。

事例6:人材採用|候補者に響く条件を特定して採用競争力を強化

「年収」「リモートワーク可否」「裁量の大きさ」「研修制度」の4属性で、エンジニア候補者に調査を実施しました。

結果、フルリモート可のWTPは年収換算で約72万円相当と判明。年収を上げるよりリモート制度を整備するほうが採用競争力を効率的に高められるという結論が導かれ、人事制度の優先順位が変わりました。

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事例7:金融・保険|商品パッケージの組み合わせ最適化

「月額保険料」「保障範囲」「免責期間」「付帯サービス」の4属性で分析。保障範囲の重要度が39%と最も高く、付帯サービスは8%にとどまりました。

従来は付帯サービスの拡充で差別化を図っていましたが、顧客は保障範囲と保険料のバランスしか見ていないことが判明。付帯サービスを整理して保険料を引き下げるリニューアルが実施されました。

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コンジョイント分析の注意点・失敗パターン5つ

コンジョイント分析は強力な手法ですが、設計を誤ると「もっともらしい間違った数値」が出てしまうという危険性を持ちます。実務で頻発する5つの失敗パターンを押さえておきましょう。

注意点1:属性・水準の設計ミスが結果を根本から歪める

最も多い失敗が、非現実的な水準を混ぜてしまうことです。相場から大きく外れた価格や、実装不可能な機能を入れると、回答者の判断がその1点に引きずられます。

対策は、水準を決めた段階で営業・開発部門にレビューを依頼することです。「この価格帯なら現実的か」「この仕様は実装可能か」を確認するだけで、設計ミスの大半は防げます。

注意点2:属性を増やしすぎて回答品質が崩壊する

属性が6個を超えると、回答者はすべての情報を処理しきれず、1〜2属性だけを見て判断する「簡略化ヒューリスティック」に陥ります。この状態で得た効用値は、実際の選好を反映していません。

兆候は、回答時間の急激な短縮特定属性への極端な重要度集中です。重要度が1属性で70%を超えたら、設計を疑ってください。

注意点3:分析結果を「絶対値」として過信する

コンジョイント分析はあくまで「提示した選択肢の中での相対評価」です。設計に含めなかった属性(ブランド信頼度、口コミ、店頭での体験など)は結果に反映されません。

したがって、効用値が最大のプロファイルが実際に最も売れる保証はないと理解しておく必要があります。定性調査や既存の販売データと突き合わせて、多面的に検証してください。

注意点4:申告した選好と実際の購買行動にギャップがある

アンケート上では「環境配慮型を選ぶ」と答えても、実際の店頭では安い方を買う——このような表明選好と顕示選好の乖離は、あらゆる意識調査に共通する限界です。

緩和策は、選択形式(CBC)を使い、「どれも選ばない」の選択肢を必ず入れることです。実購買に近い意思決定構造にすることで、乖離を最小化できます。

注意点5:分析して終わりで、施策に落ちていない

最も本質的な失敗が、レポートは作ったが、意思決定が何も変わらなかったというケースです。原因の多くは、調査目的が「実態把握」といった曖昧な言葉で定義されていることにあります。

防ぐには、調査企画の段階で「この結果がAならX案、BならY案を採用する」と決定ルールを先に書いておくことです。結果が出てから議論を始めると、都合の良い解釈が混入します。

コンジョイント分析に使えるツール・サービス比較8選

コンジョイント分析は「調査票の作成・配信」と「統計分析」の2工程に分かれ、それぞれ適したツールが異なります。目的と予算に応じて選びましょう。

ツール/サービス 種別 対応手法 費用目安 おすすめの用途
Excel(分析ツール) 表計算 フルプロファイル法 既存ライセンス内 初回の社内検証・小規模分析
R(conjointパッケージ) 統計環境 フルプロファイル/CBC 無料 統計知識がある担当者による本格分析
Python(statsmodels等) 統計環境 CBC/ロジットモデル 無料 データ基盤と連携した継続分析
SPSS Conjoint 統計ソフト フルプロファイル法 有償(年額) 大学・研究機関/統計部門
Sawtooth Software 専用ツール CBC/ACBC/MaxDiff 有償(高価格帯) 本格的なCBC・ACBC実施
Qualtrics 調査プラットフォーム CBC/MaxDiff 有償(要問合せ) グローバル調査・大企業のリサーチ基盤
調査会社への委託 アウトソース 各種 50〜300万円程度 社内リソースがない/サンプル調達も任せたい
Interviewz ヒアリングDXツール 設問設計・データ収集 要問合せ(無料トライアルあり) 回答率の高い調査票作成とデータ収集・連携

実務上のおすすめは、「調査票の作成・配信はノーコードツールで内製し、統計処理はExcelまたはRで行う」という組み合わせです。調査会社への全面委託と比べ、コストを大幅に抑えつつ、仮説検証のサイクルを高速に回せます

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コンジョイント分析の情報収集には「Interviewz(インタビューズ)」がおすすめ!

コンジョイント分析の成否は、「設計した調査票で、狙った対象者から十分な回答を集められるか」にかかっています。ここが崩れると、どれだけ高度な統計手法を使っても意味がありません。

ノーコードのヒアリングDXツール「Interviewz(インタビューズ)」は、まさにこの「設計」と「収集」の工程を強化するために設計されたツールです。

Interviewzがコンジョイント分析の情報収集に向いている5つの理由

理由1:タップ操作中心のUIで、負荷の高い設問でも離脱しにくい

コンジョイント設問は情報量が多く、通常のアンケートより離脱が起きやすい形式です。Interviewzはチャット形式・タップ選択中心のUIを採用しており、スマートフォンでも1画面1設問でストレスなく回答できます。

導入企業では新規問い合わせ数268%向上、ヒアリングコスト90%削減といった成果が報告されており、回答完了率の高さが調査品質に直結します。

理由2:分岐ロジックでスクリーニングと本調査を1本化できる

「直近1年以内の購入者だけにコンジョイント設問を出す」といった条件分岐をノーコードで設定できます。対象外の回答者を自動的に除外できるため、データクリーニングの工数が大幅に削減されます。

理由3:診断コンテンツ形式で「答えたくなる」体験に変えられる

単なるアンケートではなく、回答後に診断結果を返す形式にすることで、回答者にとってのメリットが生まれます。「あなたに最適なプランはこちら」といった結果提示は、回答率を高めながらリード獲得も同時に実現します。

理由4:セキュリティ要件が厳しいBtoB調査にも対応

取得したデータは適切に保護され、個人情報を扱う調査でも安心して運用できる体制を備えています。BtoB企業の顧客調査や、社内向けの従業員サーベイにも利用可能です。

理由5:収集データの集計・共有がそのまま行える

回答データはダッシュボード上で確認でき、CSV出力してExcelやRでの効用値算出にすぐ接続できます。ツール間のデータ移行に手間がかからないため、分析までのリードタイムを短縮できます。

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コンジョイント分析に関するよくある質問(FAQ)

Q1. コンジョイント分析と通常のアンケートは何が違いますか?

A. 通常のアンケートは各項目を単独で評価させるため、「どれも重要」という結果になりやすく、優先順位がつきません。

コンジョイント分析は妥協点を含む組み合わせを提示してトレードオフ判断をさせるため、「価格を下げるのと機能を増やすのはどちらが効くか」といった比較可能な数値が得られます。この点が決定的な違いです。

Q2. 属性と水準はいくつに設定すべきですか?

A. 属性は3〜4個、多くても5個まで水準は各属性2〜4個が実務上の推奨レンジです。

属性が6個を超えると回答者が情報を処理しきれず、一部の属性だけで判断する簡略化が起きます。候補が多い場合は、事前調査やMaxDiffで上位項目に絞り込んでからコンジョイント分析に進んでください。

Q3. 直交表は必ず使わなければいけませんか?

A. 属性2〜3個・各2水準(全8通り以下)であれば全組み合わせを提示できるため、直交表なしでも実施可能です。

ただし属性が4個以上になると組み合わせ数が81通り以上に膨らむため、実務上は直交表の使用がほぼ必須になります。L9・L18といった標準的な直交表を使えば、9〜18枚まで圧縮できます。

Q4. 必要なサンプルサイズはどれくらいですか?

A. Johnson & Ormeの経験則「n ≧ 500 × 最大水準数 ÷(1人あたり設問数 × 選択肢数)」が目安で、多くのケースで最低60〜100人が下限となります。

ただしこれは全体傾向を見る場合の数値です。年代別・ブランド別などセグメント分析を行うなら、1セグメントあたり100〜200人を確保してください。

Q5. Excelだけでコンジョイント分析はできますか?

A. フルプロファイル法かつ得点評価であれば、Excelの「回帰分析」機能だけで部分効用値と重要度を算出できます。初回の社内検証には十分です。

一方、CBC(選択型)や階層ベイズ推定を用いる場合はExcelでは対応できず、RやSawtooth Softwareなどの専用環境が必要になります。

Q6. 分析結果はどうやって施策に反映すればよいですか?

A. 3つの順序で進めます。①重要度で注力すべき属性を絞る、②WTPで機能追加の価格転嫁可能額を確認する、③シェアシミュレーションで複数案を比較する——この流れです。

重要なのは、調査企画の段階で「結果がこうなったらこの案を採用する」と決定ルールを先に定義しておくことです。結果を見てから議論を始めると、都合の良い解釈が入り込みます。

Q7. コンジョイント分析にかかる期間と費用の目安は?

A. 社内で内製する場合は2〜4週間、費用はツール利用料とサンプル調達費のみで数万円〜数十万円に収まります。

調査会社に委託する場合は4〜8週間、50〜300万円程度が相場です。まずは内製で小規模に試し、意思決定に効くと確認できてから本格投資する進め方をおすすめします。

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まとめ|コンジョイント分析を成果につなげる次の一歩

コンジョイント分析は、「どの機能に投資し、いくらで売るべきか」という最も難しい意思決定を、データで裏づけられる数少ない手法です。

本記事の要点を整理します。

  • コンジョイント分析とは、属性と水準の組み合わせを評価させ、トレードオフ判断から各要素の価値を数値化する手法。
  • 手法は7種類あり、初回はフルプロファイル法、実購買予測を重視するならCBCを選ぶ。
  • 属性は3〜4個、水準は各2〜4個に絞り、直交表でカードを9〜18枚に圧縮する。
  • やり方は5STEP:目的と属性の決定 → 直交表でカード作成 → 調査配信 → 効用値・重要度の算出 → 施策への落とし込み。
  • 見るべき指標は7つ。特に重要度・WTP・シェアシミュレーションが意思決定に直結する。
  • 結果は相対評価であり絶対値ではない。定性調査・実販売データとの照合が必須。
  • 成否の9割は調査設計で決まる。プリテストを必ず実施する。

そして最も重要なのは、分析の前段にある「誰に、何を、どう聞くか」というヒアリング設計の質です。ここが甘いまま統計処理だけを精緻にしても、意思決定に使える結果は得られません。

次にとるべきアクション

ステップ1:自社商品の属性候補を10個書き出し、変更可能なものだけに絞り込む。
ステップ2:本記事の質問項目一覧表をベースに調査票のドラフトを作成する。
ステップ3:20人程度のプリテストで所要時間と離脱率を確認し、本調査へ進む。

この3ステップを回すために必要なテンプレートとツールは、以下からすべて無料で入手できます。

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